性感染症について

男性の性病検査はいつ受ける?疾患別の検査可能時期

「心当たりのある性行為があったけれど、いつ検査を受ければいいのだろう」早すぎると正しい結果が出ず、遅すぎると治療が遅れてしまうため、タイミングに迷う方は多いのではないでしょうか。

性病検査を受けられる時期は、疾患と検査方法によって異なります。また、症状が出るまでの期間と、検査で分かるようになる時期は別のものです。

この記事では、男性が知っておきたい疾患別の検査可能時期と、部位ごとの検査方法を整理して解説します。

検査のタイミングを左右する「ウィンドウ期」とは

性病検査には「ウィンドウ期」と呼ばれる、感染していても検査で検出できない期間があります。感染してから病原体や抗体が検査で検出できる量になるまでには時間がかかるため、この期間内に検査を受けると、感染していても陰性という結果が出ることがあります。

ここで混同しやすいのが、潜伏期間との違いです。潜伏期間は「感染してから症状が出るまでの期間」、ウィンドウ期は「感染してから検査で分かるようになるまでの期間」を指します。多くの性感染症では、症状が出るのを待たなくても検査を受けられます。

そのため、検査のタイミングを考えるときは、症状の有無ではなく、心当たりのある性行為からどれくらい経過したかを基準にすることが大切です。いだてんクリニックにも「症状がないから検査はまだ早いのでは」というお問い合わせがありますが、症状を待つ必要はありません。

疾患別にみる検査が可能になる時期

検査を受けられる時期は疾患によって異なります。この章では、男性が検査を受けることの多い疾患について3点に分けて解説します。

クラミジア・淋菌

クラミジアと淋菌は、遺伝子を調べる検査で比較的早い時期から検出できます。当院では、淋菌・クラミジアは、感染の可能性がある行為から24時間ほど経過していれば検査が可能です。症状が出るのを待つ必要はありません。

症状が出るまでの期間は、疾患によって差があります。国立健康危機管理研究機構によると、淋菌感染症の潜伏期間は2日から9日程度で、男性では膿のような分泌物や排尿時の痛みを伴う尿道炎を起こします。一方クラミジアは淋菌性尿道炎に比べて潜伏期間が長く、2〜3週間とされています。クラミジアは症状が軽いことも多く、気づかないまま経過することもあります。

(出典:国立健康危機管理研究機構「淋菌感染症」)

(出典:国立健康危機管理研究機構「性器クラミジア感染症(詳細版)」)

梅毒

梅毒は、感染機会から4週間以降が検査可能時期の目安です。血液検査で確認します。症状にはさまざまな現れ方があるため、症状の有無にかかわらず検査をおすすめします。

また、梅毒には、性行為後72時間以内にドキシサイクリンを内服するDoxycycline Post-Exposure Prophylaxis(Doxy-PEP:ドキシサイクリンによる曝露後予防)という予防方法があります。すでに感染している梅毒の治療ではなく、使用には性感染症の検査と医師による適応判断が必要です。

HIV

HIVは、使用する検査方法によって検査可能な時期が異なります。当院では、HIV-RNA検査は感染機会から2週間以降、第4世代抗原・抗体検査は4週間以降を検査時期の目安としています。

検査可能時期の早見表

ここまでの内容を整理すると、以下のようになります。

疾患 主な検査方法 検査が可能になる時期の目安
クラミジア・淋菌 尿・うがい液・拭い取り 24時間後から
梅毒 血液検査 4週間後から
HIV 血液検査 HIV-RNA検査は2週間後から
第4世代抗原・抗体検査は4週間後から

表は一般的な目安です。実際には、行為の内容や心当たりのある部位によって受けるべき検査が変わります。自己判断で「まだ早い」「もう大丈夫」と決めず、受診時に経過期間を伝えて相談してください。

なお、複数の疾患を同時に調べる場合、検査可能時期が最も遅い項目に合わせて全部を待つ必要はありません。早く調べられるものを先に受け、時期が来たものを後から追加するという受け方もできます。

疾患ごとの潜伏期間と検査が可能になる時期については、下記のページも参考にしてください。

男性が受ける検査の部位と方法

男性の性病検査では、心当たりのある行為に応じて調べる部位が変わります。この章では、部位ごとの検査方法について3点に分けて解説します。

性器(尿検査)

性器のクラミジア・淋菌は、尿を採取して調べます。痛みを伴う処置はなく、指定された容器に採尿するだけです。

のど(うがい液)

オーラルセックスの機会があった場合は、のどの検査も検討してください。当院ののどの検査はうがい液を使用しており、検査用の液体で30秒ほどうがいをして容器に出すだけなので、痛みはありません。

のどへの感染は症状が出にくいことが知られています。性器の検査で陰性でも、のどに感染が残っている可能性があります。

(出典:厚生労働省「オーラルセックスによる性感染症に関するQ&A」)

肛門(綿棒での拭い取り)

アナルセックスの機会があった場合は、肛門の検査も選択肢になります。検査は綿棒を数センチ入れて回すだけで、奥まで入れる必要はありません。強い痛みを伴う検査ではありません。

肛門・直腸への感染も、のどと同様に症状が出にくいとされています。心当たりがある場合は、症状がなくても検査を検討してください。

こんなときは早めに受診を

検査可能時期を待つより、先に受診したほうがよい場合もあります。以下に当てはまる場合は、経過期間にかかわらず早めに医療機関へご相談ください。

待たずに受診したほうがよいとき

・排尿時の痛み、尿道からの分泌物など、症状が出ている

・性器や肛門に、しこり・潰瘍・水ぶくれ・いぼがある

・パートナーが性感染症と診断された

・HIVの感染リスクが高い行為から72時間以内である

・発熱や皮疹など、全身の症状が出ている

特に、HIVの感染リスクが高い行為から72時間以内の場合は、PEP(Post-Exposure Prophylaxis:曝露後予防)という選択肢があります。感染の成立を防ぐために抗HIV薬を服用する方法で、時間が経つほど効果が期待できなくなるため、早い受診が必要です。

症状がある場合も、検査可能時期を待つ必要はありません。症状の原因を確認し、必要な治療を早く始めることが優先されます。

HIVの感染前予防薬であるPrEP(Pre-Exposure Prophylaxis:曝露前予防)については、下記のページをご覧ください。

HIVの感染後の緊急予防薬であるPEP(Post-Exposure Prophylaxis:曝露後予防)については、下記のページをご覧ください。

いだてんクリニックでの検査

いだてんクリニックでは、性器・のど・肛門など複数の部位の性病検査に対応しています。「どの部位を、いつ検査すればいいかわからない」という状態でも、医師が心当たりのある行為と経過期間を確認したうえで、必要な検査をご提案します。

いだてんクリニックでは、大阪院・博多駅前院の2院で性感染症の検査に対応しています。ご希望の院を選んでご予約ください。

性感染症の検査内容や治療については、下記のページも参考にしてください。

検査ごとの費用については、下記のページも参考にしてください。

まとめ

重要なポイント

・症状が出るまでの期間と、検査で分かるようになる時期は別のもの

・検査のタイミングは、症状ではなく心当たりのある行為からの経過期間で考える

・淋菌・クラミジアは、行為から24時間ほど経過していれば検査できる

・HIV-RNA検査は2週間以降、第4世代抗原・抗体検査は4週間以降が検査時期の目安

・症状がある場合やパートナーが診断された場合は、時期を待たずに受診する

・HIVの感染リスクが高い行為から72時間以内なら、曝露後予防の選択肢がある

検査のタイミングに迷って受診が先延ばしになると、その間に感染が進んだり、パートナーへうつしたりする可能性があります。判断に迷う場合は、経過期間を伝えたうえで医師に相談していただければ、適切な検査時期をご案内できます。

よくある質問

症状がないのですが、検査を受けてもよいですか?

はい、受けられます。性感染症の多くは症状が乏しいまま経過することがあり、特にのどや肛門への感染は症状が出にくいとされています。症状が出るのを待つ必要はなく、心当たりのある行為から一定期間が経過していれば検査が可能です。

性行為の翌日でも検査できますか?

淋菌・クラミジアについては、行為から24時間ほど経過していれば検査が可能です。ただし、梅毒やHIVのように血液検査で調べるものは、もう少し時間をおく必要があります。受けたい検査の内容によって異なるため、受診時に経過期間をお伝えください。

性器の検査だけ受ければ十分ですか?

心当たりのある行為によります。オーラルセックスの機会があった場合はのど、アナルセックスの機会があった場合は肛門にも感染している可能性があります。これらの部位は症状が出にくいため、性器の検査だけでは見逃すことがあります。

HIVの検査はいつ受ければよいですか?

検査方法によって検査可能な時期が異なります。当院では、HIV-RNA検査は感染機会から2週間以降、第4世代抗原・抗体検査は4週間以降を検査時期の目安としています。

即日検査と通常の検査はどちらを受けるべきですか?

結果を早く知りたい場合は即日検査(抗原検査・自費)、精度を重視する場合は通常のPCR検査という選び方になります。当院では即日検査の結果は30分で確認できますが、肛門には対応していません。状況に応じて医師と相談しながら選ぶことをおすすめします。

検査を受ける前に控えることはありますか?

尿検査を受ける場合、直前に排尿していると検体が薄まることがあります。医療機関によって案内が異なるため、予約時や受診前に確認しておくと安心です。のどの検査や血液検査については、特別な準備は必要ありません。