性病検査は生理中でも受けられる?検査方法別の影響と注意点
「性病検査を受けたいのに、ちょうど生理が来てしまった」「生理が終わるまで待つべき?」検査の予定を立てたものの、生理と重なって迷っている方もいるのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、生理中に受けられるかどうかは、検査の方法や部位によって異なります。血液やのどの検査は生理の影響を受けませんが、腟や尿を使う検査は経血の影響を受けることがあります。
また、生理中の検査への対応は医療機関によっても違います。この記事では、検査方法別の生理の影響と、受診前に確認しておきたいことを解説します。
生理中でも性病検査は受けられるのか
性病検査には、血液を採る検査、のどの検査、腟の分泌物や尿を使う検査など、いくつかの方法があります。生理の影響を受けるかどうかは、この検査方法によって変わります。
血液で調べるHIVや梅毒の検査、うがい液で調べるのどの検査は、経血が検体に混ざることがないため、生理中でも問題なく受けることができます。一方、腟の分泌物や尿を使うクラミジア・淋菌などの性器の検査は、経血が検体に混ざることで結果に影響が出る可能性があります。
つまり、「生理中は性病検査を一切受けられない」わけではなく、「生理中でも受けられる検査」と「生理が終わってから受けたほうがよい場合がある検査」があるということです。いだてんクリニックにも「生理と重なったけれど、今日受けても大丈夫ですか」というお問い合わせが寄せられます。まずは自分がどの検査を受けたいのかを整理すると、受診の予定を立てやすくなります。
検査方法別にみる生理の影響
生理が検査に与える影響は、検体の種類によって異なります。この章では、主な検査方法ごとの生理の影響について4点に分けて解説します。
血液検査(HIV・梅毒・肝炎など)
HIV、梅毒、B型肝炎、C型肝炎などは、腕から採血した血液で調べる検査です。検体は採血した血液そのものなので、生理による経血の影響を受けることはありません。
そのため、血液検査は生理中でも普段どおりに受けることができます。生理中に性病が心配になった場合でも、血液検査で調べられる項目については、生理が終わるのを待つ必要はありません。
ただし、血液検査にはそれぞれ「感染機会からどのくらいたてば正確な結果が出るか」という時期の目安があります。生理の有無よりも、心当たりのある性行為からの経過時間のほうが結果に大きく関わるため、受診の際はその点を医師に伝えるようにしてください。
のどの検査
のどのクラミジアや淋菌の検査は、のどの分泌物を調べる検査です。いだてんクリニックでは、うがい液を使ってのどの検査を行っており、検査用の液体で30秒ほどうがいをして容器に出すだけです。
のどの検査は性器とは離れた部位の検体を使うため、生理の影響を受けません。オーラルセックスの機会があった場合など、のどの感染が気になるときは、生理中でも検査を受けることができます。
のどの淋菌・クラミジアは、通常は症状が出ないことが多いとされています。性器の検査を生理後に回す場合でも、のどの検査だけ先に受けておくという選択肢もあります。
(出典:厚生労働省「オーラルセックスによる性感染症に関するQ&A」)
腟の分泌物や尿を使う検査
性器のクラミジアや淋菌の検査では、腟の分泌物を綿棒で採取する方法や、尿を使う方法があります。どちらも性器から採取する検体のため、生理中は経血が混ざりやすくなります。
経血の量が多いと、検体に血液が多く混ざり、正確な結果が得られにくくなる可能性があります。特に、結果が早く出る即日検査(抗原検査)は、経血の影響を受けやすいとする医療機関もあります。一方で、精度の高い通常検査であれば生理中でも実施できるとする医療機関もあり、判断は分かれています。
なお、腟の分泌物は医師や看護師でなくても自分で採取でき、自己採取でも同程度の精度が得られるとされています。尿を使う検査は、腟の分泌物を使う検査に比べてやや精度が落ちるとされています。
症状がある部位の検査
陰部のできものや潰瘍、おりものの異常など、症状がある部位を医師が確認する検査もあります。生理中でも診察自体は可能ですが、経血によって患部が見えにくくなったり、おりものの状態を確認しにくくなったりすることがあります。
ただし、症状がある場合は、生理が終わるのを待たずに受診することをおすすめします。痛みや発熱を伴う場合などは、生理中であっても早めに医療機関を受診してください。生理中であることは、受付時や診察時に伝えておくと、医師が検査内容を判断しやすくなります。
生理中の検査の影響を整理すると、以下のようになります。
| 検査方法 | 主な対象 | 生理の影響 |
|---|---|---|
| 血液検査 | HIV・梅毒・肝炎 | 受けない |
| のどの検査 | のどの淋菌・クラミジア | 受けない |
| 腟の分泌物・尿の検査 | 性器の淋菌・クラミジア | 受けることがある |
| 症状部位の診察 | できもの・おりものなど | 見えにくくなることがある |
腟の分泌物や尿の検査を生理中に行えるかどうかは、医療機関の方針や経血の量によって変わります。表は一般的な目安として参考にしてください。
医療機関によって対応が異なる理由
生理中の性病検査への対応は、検査を受ける場所によって異なります。同じ「クラミジアの検査」でも、ある場所では生理中は受けられず、別の場所では受けられるということがあります。この章では、検査を受ける場所ごとの違いについて解説します。
保健所の無料検査
保健所では、HIVや梅毒などの検査を無料・匿名で受けられるところがあります。保健所によっては性器クラミジアの尿検査も行っていますが、生理中は尿検査を実施しないと定めている保健所もあります。
たとえば宇都宮市保健所では、性器クラミジア検査は尿を採取して行い、生理中は実施できないと案内しています。一方で、HIVや梅毒などの血液検査は生理中でも受けられます。
保健所の検査は、実施日時や検査項目が限られていることが多いため、生理と重なった場合は、次の実施日まで性器の検査を待つ必要があります。受検前に、お住まいの地域の保健所のホームページなどで条件を確認しておきましょう。
(出典:宇都宮市「エイズ・性感染症(性器クラミジア・梅毒)の検査と相談」)
クリニックでの検査
性感染症を扱うクリニックでは、検査方法や経血の量、症状の有無などをもとに、生理中の検査を受け付けるかどうかを判断しています。精度の高い検査であれば生理中でも実施するクリニックもあれば、性器の検査は生理後を推奨するクリニックもあります。
また、クリニックでは、性器・のど・肛門など複数の部位や、HIV・梅毒などの血液検査を組み合わせて受けられることが多く、生理中は血液やのどの検査だけを先に受けるといった調整ができる場合もあります。
受診を予定している日が生理と重なりそうな場合は、予約の前に、生理中の検査の取り扱いについて問い合わせておくと安心です。
郵送検査キット
自宅で検体を採取して送る郵送検査キットでも、生理中の採取については扱いがキットによって異なります。腟の分泌物や尿を採取するキットの場合、説明書で生理中の採取を避けるよう案内していることがあります。
郵送検査キットは、医師や看護師が状態を確認しないまま検体を採取するため、経血の量などによる影響を自分で判断することになります。使用する前に説明書をよく確認し、生理中の採取について記載がある場合はその指示に従ってください。判断に迷う場合は、キットの販売元や医療機関に確認することをおすすめします。
生理中に検査を受ける前に確認したいこと
生理中に性病検査を受けるかどうか迷ったときは、以下の点を確認しておくと、検査の予定を立てやすくなります。
・受けたい検査が血液・のど・性器のどれにあたるか
・検査を受ける医療機関が、生理中の性器の検査を受け付けているか
・今日が生理の何日目で、経血の量が多いか少ないか
・かゆみ・痛み・発熱などの症状があるか
・心当たりのある性行為から、どのくらい時間がたっているか
特に大切なのは、症状の有無です。症状がない場合は、血液やのどの検査を先に受け、性器の検査は生理が終わってから受けるという分け方もできます。
一方で、痛みや発熱などの症状がある場合は、生理が終わるのを待たずに受診することをおすすめします。症状の原因を早めに確認することで、必要な治療を早く始めることができます。検査の内容をどう組み合わせるかは、医師と相談しながら決めると安心です。
疾患ごとの潜伏期間と、検査が可能になる時期については、下記のページも参考にしてください。
生理が終わってから検査を受けるときのポイント
性器の検査を生理後に回す場合は、生理が終わって経血が出なくなってから受けるのが目安です。生理が終わった直後から受けることができるため、長く待つ必要はありません。
生理後に検査を受けるまでの間は、パートナーへの感染を防ぐため、性行為を控えることが大切です。性感染症は症状がないまま進行することも多く、検査結果が出るまでは「感染しているかもしれない」という前提で行動することが、パートナーを守ることにつながります。
また、生理が終わるのを待つ間に、血液検査やのどの検査を先に済ませておく方法もあります。検査を分けて受ける場合は、それぞれの結果がいつ出るのか、どのタイミングで再度受診すればよいのかを、医師に確認しておくとスムーズです。
いだてんクリニックでの性病検査
いだてんクリニックでは、性器・のど・肛門など複数の部位の性病検査に対応しています。のどの検査はうがい液を使用し、血液検査ではHIVや梅毒などを調べることができます。腟の検査では、腟の分泌物をご自身で綿棒を使って採取していただく方法を取り入れています。
検査は、PCR(Polymerase Chain Reaction:ポリメラーゼ連鎖反応)検査による通常検査に加え、結果まで30分で確認できる即日検査(抗原検査・自費のみ)にも対応しています。なお、即日検査は肛門には対応していません。
生理中の検査の取り扱いについては、受けたい検査の内容や経血の量によって異なるため、ご予約の前にお問い合わせください。いだてんクリニックは大阪院・博多駅前院の2院で診療しています。大阪院は扇町駅・天満駅から徒歩1分、博多駅前院はJR博多駅 筑紫口から徒歩2分、地下鉄博多駅 東6番出口から徒歩1分です。大阪院は月・火・水・金・土14:00〜21:00、日・祝10:00〜17:00(木曜定休)、博多駅前院は火・水・金・土13:00〜20:00、日・祝10:00〜17:00(月・木休診)に診療しています。
性感染症の検査内容や治療については、下記のページも参考にしてください。
検査ごとの費用については、下記のページも参考にしてください。
まとめ
・生理中に性病検査を受けられるかは、検査方法や部位によって異なる
・血液検査(HIV・梅毒など)とのどの検査は、生理の影響を受けない
・腟の分泌物や尿を使う性器の検査は、経血が混ざり結果に影響する可能性がある
・生理中の性器の検査への対応は、保健所・クリニック・郵送検査キットで異なる
・症状がある場合は、生理が終わるのを待たずに受診することが大切
・受診前に、検査を受ける医療機関へ生理中の取り扱いを確認しておくと安心
生理と検査の予定が重なっても、受けられる検査を先に済ませたり、医療機関と相談して検査の順番を決めたりすることで、検査を大きく先延ばしにせずに済みます。いだてんクリニックでは、複数の部位や項目の検査に対応していますので、生理中の検査について迷った場合も、まずはお気軽にお問い合わせください。
よくある質問
生理中でもHIVや梅毒の検査は受けられますか?
はい、受けられます。HIVや梅毒の検査は腕から採血した血液で調べるため、生理の影響を受けません。ただし、心当たりのある性行為から検査までの期間によって結果の正確さが変わるため、感染機会からどのくらいたっているかを医師に伝えてください。
生理中にクラミジアや淋菌の検査はできますか?
のどのクラミジア・淋菌の検査は、生理の影響を受けないため受けることができます。性器の検査は、腟の分泌物や尿に経血が混ざることで結果に影響が出る可能性があり、生理中に受け付けるかどうかは医療機関によって異なります。受診前に、検査を受ける医療機関に確認してください。
生理が終わってからどのくらいで検査を受けられますか?
生理が終わり、経血が出なくなっていれば検査を受けることができます。長く待つ必要はありません。生理の終わりかけで少量の出血が続いている場合は、受診前に医療機関へ相談しておくと安心です。
症状がある場合も生理が終わるまで待ったほうがよいですか?
痛みや発熱、おりものの異常など、気になる症状がある場合は、生理が終わるのを待たずに受診することをおすすめします。生理中でも診察や、生理の影響を受けない検査は受けられます。症状の原因を早めに確認することで、必要な治療を早く始めることができます。
郵送検査キットは生理中に使えますか?
キットによって扱いが異なります。腟の分泌物や尿を採取するキットでは、説明書で生理中の採取を避けるよう案内していることがあります。使用前に説明書を確認し、判断に迷う場合は販売元や医療機関に確認してください。
生理中であることは受付で伝えたほうがよいですか?
はい、伝えておくことをおすすめします。生理中であることがわかれば、医師が受けられる検査の内容や順番を判断しやすくなります。予約の段階で気になる場合は、事前にお問い合わせいただくと、当日の流れを確認できます。
女性のクラミジア感染や検査については、下記のページも参考にしてください。