性感染症について

性病の治療期間は何日?淋菌・クラミジア・梅毒の再検査と再開の目安

「性病の治療は何日くらいかかるの?」「注射を打てば、その日に治る?」治療を始めるにあたって、いつ治るのか、いつから普段どおりの生活に戻れるのかが気になる方も多いのではないでしょうか。

性病の「治療期間」と一口にいっても、薬を使う期間、症状が良くなるまでの期間、治ったかを確かめる再検査の時期、性行為を再開できる時期は、それぞれ別のものです。注射や1回の服用で薬の投与が終わっても、その日に治ったわけではありません。

この記事では、淋菌・クラミジア・梅毒を中心に、治療期間の考え方と、再検査・性行為再開の目安を解説します。

「治療期間」は4つに分けて考える

性病の治療期間についての説明図

性病が「何日で治るか」を考えるときは、次の4つを分けて考えることが大切です。

区分意味
薬を使う期間注射・点滴・飲み薬で
治療する期間。
治療中も相手にうつす可能性がある
症状が良くなるまでの期間痛みや分泌物などの症状が
軽くなるまでの期間。
症状が軽くなっても相手にうつす可能性がある
再検査の時期治ったかどうかを
検査で確かめる時期
性行為を再開できる時期再検査で陰性が確認されてから

この4つは、同じ日に終わるわけではありません。たとえば、注射1回で薬の投与が終わる治療でも、体の中の病原体がいなくなったかは、時間をおいて検査しなければわかりません。また、症状が先に軽くなっても、病原体が残っていることがあります。治療中や症状が改善している途中も、性行為によってパートナーに感染させる可能性があります。

当院では、治療が終わってから2週間以降に再検査を行い、再検査で陰性が確認されてから性行為を再開することをおすすめしています。いだてんクリニックにも「薬を飲み終えたので、もう大丈夫ですか」というお問い合わせが寄せられますが、薬を使い終えた時点では、まだ治ったことは確認できていません。

次の章からは、淋菌・クラミジア・梅毒ごとに、この4つの目安を解説します。

淋菌(淋病)の治療期間

淋菌は、抗菌薬による治療が必要な性感染症です。現在の標準的な治療は、セフトリアキソンという抗菌薬の点滴または注射を1回行う方法です。

淋菌の治療期間の目安

・薬を使う期間:セフトリアキソンの点滴または注射を1回

・症状が良くなるまでの期間:治療後、症状が少しずつ軽くなる

・再検査の時期:治療完了後2週間以降

・性行為を再開できる時期:再検査で陰性が確認されてから

点滴や注射は1回で終わりますが、その日に淋菌がいなくなったと確認できるわけではありません。症状が軽くなっても、治療後の再検査で陰性を確かめるまでは、性行為を控えてください。

特に、のどや肛門の淋菌は、性器に比べて治りにくいとされています。症状が出にくい部位でもあるため、治療後の再検査で治ったことを確認することが大切です。

また、淋菌はクラミジアと同時に感染していることが多く、状況によってはクラミジアの治療もあわせて行います。国立健康危機管理研究機構も、淋菌感染症では早期診断・早期治療とともに、性的パートナーへの検査をすすめることが重要としています。

(出典:国立健康危機管理研究機構「淋菌感染症」)

淋病の治療や放置した場合のリスクについては、下記のページも参考にしてください。

クラミジアの治療期間

クラミジアは、抗菌薬の飲み薬で治療します。主な治療薬は、ドキシサイクリンとアジスロマイシンです。

クラミジアの治療期間の目安

・薬を使う期間:ドキシサイクリンを1日2回・7日間、またはアジスロマイシンを1回

・症状が良くなるまでの期間:治療中から症状が軽くなることがあるが、もともと症状が出ないことも多い

・再検査の時期:治療完了後2週間以降

・性行為を再開できる時期:再検査で陰性が確認されてから

ドキシサイクリンは、1日2回、7日間飲み続ける薬です。米国のCDC(Centers for Disease Control and Prevention:疾病予防管理センター)のガイドラインでも、ドキシサイクリン100mgを1日2回・7日間服用する方法が推奨されています。症状が軽くなっても、自己判断でやめずに飲み切ってください。

アジスロマイシンは、1回飲むだけで薬の服用が終わります。ただし、1回で飲み終わることと、その日に治ることは別です。飲んだあとも薬は体の中で働き続けており、治ったかどうかは再検査で確かめる必要があります。

クラミジアは症状が出ないことが多いため、「症状がないから治った」とも判断できません。必ず再検査で陰性を確認してから、性行為を再開してください。

(出典:CDC「Chlamydial Infections - STI Treatment Guidelines」)

クラミジアの治療薬の種類や飲み方、副作用については、下記のページも参考にしてください。

梅毒の治療期間

梅毒は、注射または飲み薬で治療します。注射と飲み薬では、薬を使う期間が大きく異なります。

梅毒の治療期間の目安

・薬を使う期間:注射の場合は1回(後期潜伏梅毒は1週間おきに3回)、飲み薬の場合は2〜4週間

・症状が良くなるまでの期間:しこりや発疹などの症状は治療とともに落ち着いていく

・再検査の時期:治療完了後2〜4週間後に血液検査

・性行為を再開できる時期:血液検査で治ったことが確認されてから

注射の場合は、お尻の筋肉に1回注射することで薬の投与が終わります。飲み薬の場合は、2〜4週間ほど飲み続ける必要があります。

梅毒の再検査では、治療を始めたときの血液検査の数値と、治療後の数値を比べて、治療がうまくいったかを判断します。そのため、注射で薬の投与が1日で終わっても、治ったかどうかは治療後の血液検査で確認するまでわかりません。治ったことが確認できる前に性行為をすると、数値が上がったときに、治療がうまくいかなかったのか、再び感染したのかがわからなくなってしまいます。

なお、梅毒の治療を始めると、24時間以内に発熱やだるさ、頭痛などが出ることがあります(ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応)。治療に伴う反応で、多くは自然に落ち着きます。

厚生労働省も、梅毒の治療では症状が良くなっても自己判断で内服を中断しないこと、医師が安全と判断するまでは性交渉などを控えることを呼びかけています。

(出典:厚生労働省「梅毒に関するQ&A」)

梅毒の注射治療の流れや、飲み薬との違いについては、下記のページも参考にしてください。

注射や1回の服用でも「その日に治る」わけではない理由

淋菌の点滴・注射、梅毒の注射、クラミジアのアジスロマイシンのように、1回で薬の投与が終わる治療があります。しかし、どの治療も、その日のうちに治ったことが確認できるわけではありません。

その日に治ったとは言えない理由

・薬の投与が終わっても、病原体がいなくなるまでには時間がかかる

・治ったかどうかは、時間をおいた再検査でしか確認できない

・症状が先に軽くなっても、病原体が残っていることがある

・治療直後も、性行為によってパートナーに感染させる可能性がある

「1回で終わる治療」は、薬を飲み忘れる心配がなく、通院の負担も少ないという利点があります。ただし、それは薬を使う期間が短いという意味で、すぐに性行為を再開してよいという意味ではありません。

1回で終わる治療を受けた場合も、毎日飲む薬で治療した場合も、治療完了後2週間以降の再検査で陰性を確認してから、性行為を再開してください。

再検査と性行為を再開するタイミング

治療が終わったら、治ったかどうかを確かめる再検査を受けます。当院では、治療が完了してから2週間以降を再検査の目安としています(梅毒は2〜4週間後の血液検査)。

再検査で陰性が確認されるまでは、オーラルセックスを含む性行為を控えてください。再検査の前に性行為をすると、まだ体に残っている病原体をパートナーにうつしてしまうおそれがあります。また、陽性の結果が出たときに、治療がうまくいかなかったのか、新たに感染したのかがわからなくなります。

性行為を再開するときは、ご自身の再検査が陰性であることに加えて、パートナーの治療が終わっていることも確認してください。パートナーが感染したままであれば、再び感染してしまいます。

再検査の時期や再開の条件は、病気の種類や感染した部位、治療内容によって異なることがあります。具体的なスケジュールは、治療を受けた際に医師に確認してください。

パートナーの検査・治療も必要

性病の治療では、パートナーの検査・治療も欠かせません。ご自身が治療を終えても、パートナーが感染したままであれば、性行為によって再び感染してしまいます。このようにお互いにうつし合う状態は、ピンポン感染と呼ばれます。

淋菌・クラミジア・梅毒は、いずれも症状が出ないまま感染していることがあります。パートナーに症状がなくても、検査を受けてもらうことが大切です。

パートナーが感染していた場合は、二人そろって治療を受け、それぞれ再検査で陰性を確認してから性行為を再開してください。どちらか一方だけが治っても、もう一方が治っていなければ、再び感染する可能性があります。

パートナーへの伝え方に悩む場合も、医師と相談しながら考えることができます。

症状がなくても検査を受けるべき理由については、下記のページも参考にしてください。

いだてんクリニックでの治療と再検査

いだてんクリニックでは、淋菌・クラミジア・梅毒をはじめとする性感染症の検査・治療に対応しています。治療後の再検査や、パートナーの方の検査についても、ご相談いただけます。

「治療を始めたいけれど、いつ再検査すればいいかわからない」「性行為をいつ再開してよいか知りたい」という方も、医師が病気の種類や治療内容に応じてご案内します。

いだてんクリニックは大阪院・博多駅前院の2院で診療しています。大阪院は天満駅・扇町駅から、博多駅前院は博多駅からアクセスしやすい場所にあります。診療時間は院によって異なりますので、ご希望の院を選択して予約画面からご確認ください。

性感染症の検査内容や治療については、下記のページも参考にしてください。

検査・治療ごとの費用については、下記のページも参考にしてください。

まとめ

重要なポイント

・性病の治療期間は「薬を使う期間」「症状が良くなるまで」「再検査の時期」「性行為を再開できる時期」に分けて考える

・淋菌はセフトリアキソンの点滴または注射を1回、クラミジアはドキシサイクリン7日間またはアジスロマイシン1回、梅毒は注射1回または飲み薬2〜4週間

・注射や1回の服用で薬の投与が終わっても、その日に治ったわけではない

・再検査は治療完了後2週間以降(梅毒は2〜4週間後の血液検査)

・性行為は、再検査で陰性が確認され、パートナーの治療も終わってから再開する

・具体的なスケジュールは、治療を受けた際に医師に確認する

性病は適切に治療すれば治すことができますが、「薬が終わった日」と「治った日」は同じではありません。再検査で治ったことを確かめ、パートナーと一緒に治療を終えることが、再感染を防ぐ近道です。いだてんクリニックでは、治療から再検査、パートナーの方の検査までご相談いただけます。

よくある質問

性病は何日で治りますか?

病気や治療方法によって異なります。薬を使う期間は、淋菌は点滴または注射1回、クラミジアはドキシサイクリン7日間またはアジスロマイシン1回、梅毒は注射1回または飲み薬2〜4週間が目安です。ただし、治ったかどうかは治療完了後2週間以降の再検査で確認します。

注射を打てば、その日に治りますか?

注射で薬の投与はその日に終わりますが、その日に治ったことが確認できるわけではありません。治ったかどうかは、時間をおいた再検査で確かめます。再検査で陰性が確認されるまでは、性行為を控えてください。

症状がなくなれば治ったと考えてよいですか?

いいえ、そうとは限りません。症状が先に軽くなっても、病原体が体に残っていることがあります。淋菌・クラミジア・梅毒は、もともと症状が出にくいこともあるため、症状の有無ではなく再検査で治ったことを確認してください。

治療後、いつから性行為を再開できますか?

再検査で陰性が確認されてから再開してください。当院では、治療完了後2週間以降を再検査の目安としています(梅毒は2〜4週間後の血液検査)。パートナーの治療が終わっていることも確認してから再開することが大切です。

再検査は必ず受けたほうがよいですか?

はい、受けることをおすすめします。治ったかどうかは、症状ではなく再検査で確認します。特に、のどや肛門の感染は治りにくいことがあり、症状も出にくいため、再検査で確かめることが大切です。

パートナーも治療が必要ですか?

パートナーも検査を受け、感染していれば治療を受ける必要があります。パートナーが感染したままだと、ご自身が治っても再び感染してしまいます。二人そろって治療と再検査を終えてから、性行為を再開してください。