性感染症について

クラミジア治療薬の種類・飲み方・副作用を医師がわかりやすく解説

クラミジア治療薬の種類・飲み方・副作用を医師がわかりやすく解説

クラミジアに感染したかもしれないと心配されている方や、すでに検査で陽性と診断された方の中には、「どんな薬を飲めばいいの?」「副作用が怖い」「薬だけ処方してもらえる?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。クラミジアは性感染症の中でも感染者数が多く、適切な治療薬を使えば完治できる病気です。この記事では、クラミジア治療薬の種類や飲み方、副作用、咽頭・直腸クラミジアへの対応などをまとめてお伝えします。

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クラミジアの治療は「抗菌薬の内服」が基本

クラミジアはクラミジア・トラコマティスという細菌によって引き起こされる性感染症です。細菌性の感染症であるため、治療の基本は「抗菌薬(抗生物質)の内服」であり、注射や塗り薬は使用しません。適切な薬を正しく使用すれば、後遺症を残さずに完治させることが可能です。

ただし、自然治癒はほとんど期待できません。クラミジアは無症状のことが多く、放置すると男性では精巣上体炎、女性では骨盤内炎症性疾患・不妊の原因になることもあります。「症状がないから大丈夫」と判断せず、陽性が確認されたら速やかに治療を開始することが大切です。また、パートナーも同時に検査・治療を受けないと「ピンポン感染(お互いにうつし合うこと)」が繰り返されますので、必ずパートナーにも受診をすすめてください。

(出典: 厚生労働省「性器クラミジア感染症」)

クラミジア治療薬の種類と特徴

クラミジア治療薬の種類

クラミジア治療に用いられる抗菌薬には、主にマクロライド系、テトラサイクリン系、ニューキノロン系があります。治療薬は、感染部位、妊娠の有無、年齢、アレルギー、服薬継続のしやすさ、合併感染の可能性などを踏まえて選択されます。CDCなどの海外主要ガイドラインでは、ドキシサイクリンが優先され、アジスロマイシンやレボフロキサシンは代替薬として位置づけられています。自己判断で服用せず、必ず医師の診察と検査に基づいて治療を受けることが重要です。

ドキシサイクリン(ビブラマイシン)

ドキシサイクリンはテトラサイクリン系の抗菌薬で、1日2回・7日間の継続服用が標準的な治療法です。海外のガイドライン(米国CDCなど)では、クラミジアに対して推奨されます。ビブラマイシンは、性器だけでなく、咽頭・直腸のクラミジアの治療も可能で、治癒率も高いことが特徴です。一方で、飲み忘れると効果が下がること、光線過敏症(日光に当たると皮膚が赤くなりやすくなる)、歯の色素沈着リスク(妊婦・小児には禁忌)などの注意点があります。

アジスロマイシン(ジスロマック)

アジスロマイシンはマクロライド系の抗菌薬で、クラミジア治療における第一選択薬のひとつです。性器クラミジアの場合は通常1,000mgを1回のみ服用するだけで治療が完了するため、「飲み忘れが少ない」「通院が1回で済む」といった利便性の高さが特長です。一方、咽頭・直腸のクラミジアに対しては、治癒率が落ちることも報告されていることに注意が必要です。ジスロマックはその先発品商品名で、アジスロマイシンはジェネリック医薬品(後発品)にあたりますが、有効成分・効果に差はありません。消化器症状(吐き気・下痢・腹痛)が主な副作用として知られており、空腹時の服用は避けることが推奨されています。

ミノサイクリン・レボフロキサシン

ミノサイクリン(ミノマイシン)もテトラサイクリン系で、アジスロマイシンにアレルギーがある場合などに選択されることがあります。レボフロキサシンはニューキノロン系で、クラミジアへの効果も認められていますが、妊婦や18歳未満への投与は原則禁忌です。最近では、特にレボフロキサシンの乱用により耐性化が進んでおり、積極的には治療薬としては使用する頻度は減っています。

クラミジア治療薬の比較表

薬剤名 アジスロマイシン ドキシサイクリン
系統 マクロライド系 テトラサイクリン系
服用方法 1回のみ
(1,000mg)
1日2回×7日間
主なメリット 服用が1回で完結 あらゆる部位に対して有効性高
主な注意点 消化器症状が出やすい、
咽頭・直腸クラミジアに対しての
治療率はドキシサイクリンに劣る
継続服用が必要・光線過敏症

クラミジア治療薬の副作用と対処法

治療薬の副作用が心配な方も多いかと思います。ここでは主な副作用と、その際の対処法を解説します。

アジスロマイシンの副作用で最も頻度が高いのは、下痢・吐き気・腹痛といった消化器症状です。これらは多くの場合軽度で、服用を終えれば自然に治まります。食後に服用することで症状が軽減されることが多いため、医師の指示に従って飲むタイミングを調整してください。まれに、アナフィラキシー(重篤なアレルギー反応)、肝機能障害、QT延長(不整脈)などの重篤な副作用が報告されています。服用後に皮膚の発疹・じんましん・呼吸困難・黄疸などが現れた場合は、すぐに医療機関に連絡してください。

ドキシサイクリンは光線過敏症に注意が必要です。服用中は直射日光・紫外線を避け、外出時は日焼け止めや長袖の着用が推奨されます。また、カルシウムを多く含む牛乳や制酸薬と一緒に飲むと吸収が下がるため、服用前後2時間は避けてください。

(出典: 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)「アジスロマイシン錠250mg 患者向医薬品ガイド」)

「クラミジアの薬だけ欲しい」は受診なしでは難しい理由

クラミジアの治療薬(アジスロマイシン・ドキシサイクリン等)はすべて処方箋が必要な「処方箋医薬品」であり、ドラッグストアや薬局で市販品として購入することはできません。「症状があるから薬だけ欲しい」「前回と同じ薬でいい」と思われる方の気持ちはよくわかりますが、クラミジアは症状だけでは淋菌・マイコプラズマなど他の性感染症と区別できないため、必ず検査で確定診断を行ったうえで処方する必要があります。

また、「クラミジア」と自己判断して別の性病を見逃してしまうリスクや、不適切な抗菌薬使用による薬剤耐性菌の発生リスクも無視できません。ただし、「検査→診察→処方」を1回の受診で済ませることは可能です。いだてんクリニックでは即日検査(最短30分で結果確認)に対応しており、陽性確認後にその場で処方を受けられます(自由診療のみ)。

咽頭・直腸クラミジアの薬は性器クラミジアと違う?

咽頭・直腸クラミジアの治療薬の特徴

咽頭・直腸クラミジアの治療には基本的にドキシサイクリンを使用します。アジスロマイシンも使用されますが、1回投与では性器クラミジアに比べて除菌効果が不確実なケースがあります。そのため、医師の判断によってはドキシサイクリン7日間投与が選択されることもあります。「のどに症状はないけれど、オーラルセックスをする機会がある」という方は、定期的に咽頭の検査も受けることをおすすめします。

咽頭クラミジアの検査方法

咽頭クラミジアの検査は、PCR検査が一般的です。当院では、痛みのないうがい検査を行っています。尿検査では咽頭の感染は検出できないため、「性器は陰性だったのにのどに感染していた」というケースもあります。オーラルセックスの機会がある方は、性器・咽頭それぞれの検査を受けることが大切です。

(出典: 厚生労働省「オーラルセックスによる性感染症に関するQ&A」)

治療後の注意点と「治った」確認の方法

クラミジア治療の流れ

クラミジアは治療薬を正しく飲んでも、すぐに検査で「陰性」が確認されるわけではありません。治療終了後2〜3週間後に再検査を受け、陰性が確認されて初めて「完治」とみなします。これは、死菌のDNAがしばらく残ることでPCR検査が偽陽性を示すためです。治療中・治療終了後の再検査前には性行為を避けてください。パートナーが未治療の場合、せっかく治っても再感染するため、必ず同時に検査・治療を受けることが重要です。

また、クラミジアに一度感染して治っても免疫はできません。治癒後も性行為の際にコンドームを正しく使用することが、再感染予防の最も有効な方法です。感染リスクが高い方(複数のパートナーとの性行為がある方など)は、3〜6ヶ月ごとの定期検査を習慣にすることを強くおすすめします。

症状がなくても定期検査を受けるべき理由については、以下の記事で説明しています。ぜひ参考にしてください。

詳細はこちら

いだてんクリニックのクラミジア治療について

いだてんクリニックでは、性器・咽頭・直腸など感染部位に応じた検査から治療までをワンストップで対応しています。即日検査(最短30分で結果確認)に対応しているため、当日陽性が判明した場合はその場で抗菌薬を処方することが可能です。「1回の受診で検査も治療も済ませたい」というご希望にも対応しています。

当院での「性病検査・治療」については以下からご確認ください。

診療は月・火・水・金・土(14:00〜21:00)、日・祝(10:00〜17:00)と夜間・休日も開院しており、お仕事帰りや週末でも受診しやすい環境を整えています。来院が難しい場合には、郵送検査キットや電話診療(郵送)にも対応しています。まずはお気軽にご相談ください。

当院での「電話診療・郵送処方」については以下からご確認ください。

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まとめ

クラミジアは抗菌薬(アジスロマイシン・ドキシサイクリン等)による内服治療で完治できる性感染症ですが、自然治癒はほとんど期待できず、放置すると深刻な合併症を引き起こすリスクがあります。治療薬はすべて処方箋が必要であり、自己判断での市販薬での対処はできません。咽頭・直腸クラミジアは性器クラミジアより治りにくい傾向があり、検査・治療の方針が異なる場合もあります。少しでも不安がある方は、早めに専門医を受診することが一番の近道です。

よくある質問

クラミジアの薬は何日飲めば治りますか?

薬の種類によって異なります。アジスロマイシン(ジスロマック)は1回の服用で治療が完了します。ドキシサイクリン(ビブラマイシン)の場合は1日2回・7日間の継続服用が必要です。ただし「薬を飲み終えた=完治」ではなく、治療終了後2週間後以降の再検査で陰性が確認されて初めて完治とみなします。

クラミジアの薬は市販で買えますか?

購入できません。クラミジア治療に使用する抗菌薬はすべて処方箋医薬品です。ドラッグストアや薬局での市販はなく、医療機関での受診と検査を経て処方してもらう必要があります。

クラミジアの薬だけ処方してもらうことはできますか?

診察なしに「薬だけ」の処方は行っておりません。「検査→診察→処方」を1回の受診で完結させることは可能です。いだてんクリニックでは即日検査に対応しており、当日中に結果確認から処方まで行えます(自費診療のみ)。当院での診察の流れについては、以下のページからご確認ください。診療の流れ

咽頭(のど)・直腸のクラミジアの薬は性器と同じですか?

基本的には同じ抗菌薬が使われますが、咽頭・直腸クラミジアはのどの粘膜に薬が浸透しにくく治りにくい傾向があります。アジスロマイシン1回投与では不確実なケースもあるため、医師の判断でドキシサイクリン7日間が選択されることがあります。

クラミジアの薬に副作用はありますか?

クラミジア治療に用いられる抗菌薬でも、副作用が出ることがあります。比較的よく見られるのは、下痢、吐き気、嘔吐、腹痛、食欲不振などの消化器症状です。アジスロマイシンでは下痢、腹痛、悪心・嘔吐など、ドキシサイクリンでは食欲不振、悪心・嘔吐、腹痛、下痢などが報告されています。多くは軽度で一時的ですが、症状が強い場合や長引く場合は、処方を受けた医療機関に相談してください。ドキシサイクリンでは、光線過敏症、つまり日光に当たった部分が赤くなりやすくなる副作用や、食道炎・食道潰瘍にも注意が必要です。服用時は多めの水で飲み、服用後すぐに横にならないよう指示されることがあります。

パートナーが検査を受けてくれません。どうすればいいですか?

パートナーが未治療のままでは、治療を終えても再び感染する「ピンポン感染」が起こります。当院では電話診療・郵送での検査キット対応も行っています。パートナーへの受診の働きかけが難しい場合も、まずご相談ください。