性感染症について

性病は本当に怖い?放置するリスクと早期対応で防げること

「『性病かもしれない』と思いながらも、怖くて調べられない・受診できない」。そんな思いを抱えている方は、決して少なくないのではないでしょうか。

確かに性病には「感染したら大変なことになる」「人に言えない」というイメージが根強くあります。しかし、その「怖さ」の多くは正確な情報がないことから生まれています

この記事では、性病が怖いと感じる理由を整理しながら、早期発見・早期治療によって多くの合併症リスクを減らせることを、正直にお伝えします。

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「性病は怖い」と感じる主な理由

性病に対して強い恐怖感を持つ方には、いくつかの共通した理由があります。

まず多いのが「無症状のまま進行する」という不安です。実際、クラミジアや淋菌感染症などの性感染症は、感染していても自覚症状が乏しいことがあり、症状だけでは感染の有無を判断できません。

また「パートナーに知られてしまう」「職場や家族に漏れるのでは」というプライバシーへの不安も、受診をためらわせる要因になります。

さらに、「治らない病気なのでは」「将来の妊娠や体に影響が出るのでは」という漠然とした不安もあります。こうした恐怖は、病気ごとの違いや治療法が分からないことで大きくなることがあります。

実際には、抗菌薬で治療できる性感染症もあれば、HIV感染症や性器ヘルペスのように継続的な治療・管理を行う感染症もあります。早期に診断し、感染症の種類に応じて適切に対応することが重要です。「怖い」という感情と、実際のリスクを分けて考えることが第一歩です。

性病が実際に怖い理由|放置することで起きること

一方で、性病には「放置すると確かにリスクが高まる」という側面もあります。怖がりすぎる必要はありませんが、知っておくべき実際のリスクを整理しておくことは大切です。

この章では、放置が招く具体的な問題として、合併症・感染拡大・精神的影響の3点に分けて解説します。

放置すると起こる合併症のリスク

性感染症を治療せずに放置すると、感染症の種類によっては感染が周囲の臓器へ広がったり、全身に症状が及んだりして、合併症を起こすことがあります。性感染症は感染しても無症状であることが多く、比較的軽い症状にとどまる場合もあるため、感染に気づかず治療が遅れることがあります。

そのため、性感染症の種類によっては、不妊などの後遺障害、生殖器のがん、HIVに感染するリスクの上昇など、さまざまな合併症につながることが指摘されています

特に性器クラミジア感染症では、女性の場合、子宮頸管から上行して骨盤内炎症性疾患を起こし、卵管障害による不妊や異所性妊娠のリスクにつながることがあります。男性でも精巣上体炎を起こすことがあります。

梅毒は、治療しないまま長期間経過すると、心血管系や神経系などに病変を生じる可能性があります。

(出典:厚生労働省「性感染症」

知らないうちにパートナーへ感染を広げてしまう

性病が怖いもうひとつの理由は、自分が感染していることを知らないまま、パートナーや大切な人にうつしてしまうリスクがあることです。クラミジアや淋菌感染症は症状が乏しいことがあり、本人が気づかないまま感染を広げてしまう可能性があります。

梅毒の第1期も、病変に痛みがないことがあり、病変が自然に消えるため「治った」と誤解する場合があります。しかし、症状が消えても感染が治癒したとは限りません。

感染を広げてしまうことへの罪悪感や、発覚後の人間関係への影響を考えると、適切な時期に検査を受けて感染の有無を確認することは、自分とパートナー双方のための行動です。

精神的な不安が長期化することによる影響

性病への恐怖や不安を一人で抱え込むことで、精神的な負担が長期化してしまうこともあります。「もしかしたら感染しているかも」という疑念を持ったまま日常生活を送るストレスは、仕事や人間関係にも影響を及ぼすことがあります

また、受診をためらい続けることで、検査や治療につながる機会を逃してしまうこともあります。「怖いから調べない」のではなく、不安が続く場合は医療機関へ相談し、必要な検査や検査時期を確認することが大切です。

性病が「怖くない」理由|早期対応で防げること

性病への適切な対処を知ると、「怖い」というイメージは整理しやすくなります。実際、多くの性感染症は現代医療によって治療または長期的な管理が可能です。

感染症治療・管理の見通し
クラミジア・
淋菌感染症
適切な抗菌薬で
治療可能
梅毒ペニシリン系抗菌薬などで
治療可能
HIV感染症抗レトロウイルス療法
(Antiretroviral Therapy:ART)で
長期的な管理が可能
性器ヘルペスウイルスを体内から排除する治療はないが、
抗ウイルス薬で症状や再発を抑えることが可能
尖圭コンジローマ病変の除去が可能。
ただし治療後も再発することがある

HIV感染症は、現在では早期に感染を知り、適切な治療を継続することで、長く健康的な社会生活を送ることができるようになっています。抗HIV薬によって体内のウイルス増殖を抑え、免疫力の低下を防ぐことができます。

これは「すべての性感染症が同じ治療で治る」という意味ではありません。感染症ごとの特徴を知り、必要な検査・治療につなげることが重要です。

(出典:厚生労働省「HIVとエイズ」

いま特に注意すべき性病の現状

「性病は昔の病気」というイメージを持っている方もいるかもしれませんが、現在も性感染症への注意は必要です。

特に梅毒は、厚生労働省によると2022年以降、年間1万例を超える報告が続いています。梅毒は感染症法に基づく全数把握の対象であり、現在も注意が必要な状況です。

また、オーラルセックスでも、のどにクラミジアや淋菌が感染することがあります。咽頭感染は症状が乏しいことがあり、「のどに症状がないから感染していない」とは判断できません。

性病は一部の人だけの問題ではなく、性的接触があれば誰にでも感染する可能性があります。

(出典:厚生労働省「梅毒」

性病を「怖い」と感じたときの正しい対処法

性病への恐怖を感じたとき、それを行動につなげることが大切です。「怖い→調べない」ではなく「怖い→必要な検査や受診時期を確認する」という選択肢を持つことが、自分とパートナーを守ることにつながります。

まず「検査を受ける」という選択

症状がなくても、心当たりがあれば医療機関へ相談し、必要な検査と適切な検査時期を確認することをおすすめします。感染機会から検査までの期間によっては、直後の検査だけでは感染を確認できない場合があるためです。

医療機関では、診療で知り得た個人情報や診療内容は法令などに基づいて取り扱われ、本人の同意なく第三者へ提供されることは原則ありません。いだてんクリニックでも匿名受診に対応し、プライバシーに配慮しています。

いだてんクリニックでは、HIV・梅毒・淋菌・クラミジア・B型肝炎などの即日検査に対応しており、対象となる検査では最短30分で結果を確認できます。陽性となった場合は、感染症の種類や診療内容に応じて治療をご案内します。

来院が難しい場合は郵送検査

「クリニックに行くのが恥ずかしい」「近くに専門クリニックがない」という方には、郵送での性病検査を利用する方法もあります

いだてんクリニックでは性病の郵送検査に対応しています。また、受診前に検査や治療について相談したい場合は、電話診療も利用できます。症状がある場合は、郵送検査が適切かどうかも含めて医師へご相談ください。

パートナーの検査・治療も確認する

性感染症の種類によっては、本人だけを治療しても、パートナーが感染したままであれば再感染する可能性があります。パートナーにも検査や治療が必要かどうかは、感染症の種類や状況によって異なるため、医師へ確認しましょう。

「どう伝えればいいかわからない」という場合も、受診時に医師へ相談できます

予防することで「怖さ」を減らす

性感染症への対策では、感染リスクを下げるための予防と、必要に応じた検査を組み合わせることが大切です。感染を完全に防ぐことが難しい場合でも、リスクを下げる方法があります。

予防のポイント

・コンドームを性行為の最初から最後まで正しく使用する。多くの性感染症のリスクを下げられますが、梅毒・性器ヘルペス・ヒトパピローマウイルス(Human Papillomavirus:HPV)感染症など、コンドームで覆われない皮膚・粘膜から感染するものを完全に防ぐことはできません

・性的接触の相手や行為の内容に応じて、必要な予防策を選ぶ

・症状や性的活動、感染リスクに応じて性感染症検査を受ける。検査頻度は一律ではないため、医療機関で相談する

・パートナーと検査状況や予防方法について話し合う

さらに、HIV感染リスクがある方には、曝露前予防(Pre-Exposure Prophylaxis:PrEP)という選択肢があります。デイリーPrEPは、正しく内服することで性的接触によるHIV感染リスクを99%以上低減するとされています。PrEPはHIV以外の性感染症を予防する薬ではないため、定期的なHIV・性感染症検査を組み合わせることが重要です。

また、HIVへの感染機会があった後には、曝露後予防(Post-Exposure Prophylaxis:PEP)を検討できる場合があります。PEPは開始までの時間が重要なため、心当たりがある場合は早めに医療機関へ相談してください。

いだてんクリニックではHIV予防薬のPrEP・PEPについても相談を受け付けています。

まとめ

「性病は怖い」という気持ちは自然な反応ですが、感染症ごとの特徴と対処法を知ることで、必要以上の不安を減らすことができます。整理すると、以下のことが言えます。

この記事のポイント

・多くの性感染症は、適切な治療または継続的な管理が可能です

・放置すると合併症につながる感染症があり、症状がなくても感染していることがあります

・医療機関ではプライバシーに配慮した診療が行われています

・梅毒は現在も年間1万例を超える報告が続いており、性感染症は誰にでも起こり得ます

・コンドーム、検査、HIV予防薬のPrEP・PEPなど、感染リスクを下げる手段があります

いだてんクリニックは大阪・扇町駅から徒歩1分で、平日夜間や土日も診療しています。「不安だけど、一歩踏み出せない」という方も、まずは必要な検査や受診時期についてご相談ください。

当院での診療の流れや料金・検査内容については、以下のページからご確認ください。

「性病が怖い」と感じる人によくある質問

性病かもしれないと思ったら、まず何をすればいいですか?

症状や感染機会がある場合は、まず医療機関へ相談し、必要な検査と適切な検査時期を確認してください。性感染症は感染直後には検査で確認できないこともあります。

なお、HIVへの感染機会から72時間以内など、曝露後予防(Post-Exposure Prophylaxis:PEP)を検討できる状況では、検査結果を待つ前に早急な相談が必要になることがあります。来院が難しい場合は、郵送検査や電話診療が適しているかも含めてご相談ください。

性病の検査はプライバシーが守られますか?

医療機関では、診療で知り得た個人情報や診療内容は法令などに基づいて取り扱われ、本人の同意なく第三者へ提供されることは原則ありません。いだてんクリニックでも匿名受診に対応し、デリケートな相談に配慮しています。

性病は完治しますか?

感染症の種類によって異なります。クラミジア・淋菌感染症・梅毒などは、適切な抗菌薬によって感染自体の治療が可能です。一方、性器ヘルペスやHIV感染症では、現在のところ病原体を体内から完全に排除する治療はありませんが、抗ウイルス薬によって症状や病気の進行を抑え、長期的に管理することができます。

症状がないのに検査を受ける必要はありますか?

性感染症には無症状のものがあるため、「症状がないから感染していない」とは言えません。感染機会や性的活動の内容によって検査が勧められる場合があります。ただし、必要な検査項目や検査時期は感染症によって異なるため、心当たりがある場合は医療機関へご相談ください。

性病について相談するのが恥ずかしいのですが……

性感染症は性的接触があれば誰にでも感染する可能性がある感染症です。専門の医療機関では、性感染症に関する相談や診療を日常的に行っています。来院が難しい場合は、電話診療で相談できる内容もあります。

下記をご参照ください。

治療後に再び性病になることはありますか?

あります。治療によって感染が治癒した性感染症でも、その後あらためて感染する可能性があります。再感染を防ぐため、コンドームなどの予防策を続け、パートナーにも検査・治療が必要か医師へ確認することが大切です。

ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。