女性の悩み

学校では教えてくれない女性の性病、教えます!

学校では教えてくれない女性の性病、教えます!

近年、淋菌やクラミジア、梅毒などの性感染症(性病)において女性の感染者が増加傾向です。

女性の性病は症状が乏しいことも多く、感染に気付かず生活をしていることも少なくありません。

早期発見・早期治療により体への影響がないことがほとんどですが、放置してしまうと重症化し生涯にわたって影響を及ぼす可能性のある合併症を引き起こすことがあります。

ここでは、女性の性病の症状、検査、治療、予防についてまとめて解説します。

この記事で言いたいこと

・女性は、性病による長期的な影響を受けやすい。

・性病を治療をしていない場合、不妊や早産のリスクになる他、胎児への影響がでてしまう。

・性病は、無症状でも体に影響がある。

・性病は、予防と早期発見・早期治療が大切である。

目次の各項目をクリックすると、記事の途中までジャンプすることができます。

女性はどうして性病に注意が必要?

女性は性病による長期的な影響を受けやすいといわれて言われています。

腟の奥には、子宮・卵巣などの生殖器(妊娠・出産に関係する体の器官)がつながっているため、腟の感染を放置した場合、不妊症や慢性骨盤痛(おなかの痛み)など、生涯にわたって影響を及ぼす可能性の合併症を起こすことが少なくありません。

また、男性と比較し女性は症状が出にくいため感染に気付かず、症状が悪化してしまうことがあります。

近年、性病の中でも淋菌やクラミジア、梅毒は女性の感染者が増加しています。これらは、適切な治療を受けられた場合、問題がないことが多いです。

そのため、女性は性病に感染しない、又は感染しても早期発見・早期治療することが重要となります。

梅毒の感染を放置した場合

数年から数十年の間に、心臓などの臓器に病変が生じ死に至ることがあります

母体から胎児(子ども)に梅毒トレポネーマが感染することにより、胎児に先天奇形や様々な合併症が生じることが知られています。

さらに、未治療の妊婦から生まれた子どもの乳児死亡は最大40%にも上るといわれています。

クラミジアの感染を放置した場合

骨盤内炎症性疾患、子宮外妊娠、慢性骨盤痛、卵管不妊症などのリスクがあります。

周産期の母体のクラミジアの感染は、早産、死産、性出生体重のほか肺炎や結膜炎などの新生児感染症の可能性があります。

淋菌の感染を放置した場合

卵管不妊症、子宮外妊娠、播種性淋菌感染症(発熱・関節炎などの症状が出る菌血症を伴う全身感染)などのリスクがあります。

周産期の母体の淋菌の感染は、早産、低出生体重、早期破水のほか新生児の淋菌性敗血症や新生児眼炎など失明につながる可能性があります。

女性の性病の症状

腟に性病が感染した場合の主な症状は、おりものの増加や臭い、下腹部の痛み、できもの、発疹などです。

しかし、自覚症状がないこともあり、症状から性病の感染の有無や性病を特定することはできません

また、おりものは生理周期に影響を受け、排卵期におりものの量が増えることは珍しいことではないため、自分のおりものの正常な状態と異常な状態を見極めるのは難しいかもしれません。

咽頭に性病が感染した場合の主な症状は、のどの違和感、扁桃腺の腫れなど風邪症状とよく似ています。

「あれ、いつもとなんか違う」と感じた時は、一度検査や診察を受けていただく事をおすすめします。

おりものの異常=性病?

「おりものが増えた」「性器がかゆい」「おりものの色が変」これらの症状があるときは性病に感染しているのでしょうか?

もちろん性病の可能性もありますが、性病ではなく腟内の良い菌(乳酸菌)と悪い菌(雑菌)のバランスが崩れた状態の細菌性腟症や腟内に存在するカンジダが増殖し症状をきたすカンジダ症の可能性もあります

これらは性行為がなくても発症することがあり、腟症状の原因の最も多い原因であるといわれています。

性病ではない場合、治療は必須ではないですが、症状の悪化や性病の感染リスクが上がるため、症状がある場合は治療を推奨しています。

検査の方法・時期

検査の方法は、主にうがい検査、腟ぬぐい検査、肛門ぬぐい検査、血液検査の4種類です。

性病によっては、医師の視診(医師が目で症状を診る)で診断ができる場合もあります。(女性医師や女性看護師の診察をご希望の場合は、事前にお電話や公式LINEでご相談ください。)

当院で行う淋菌やクラミジアの検査は感染部位(お相手と粘膜同士の接触があった部位)の検査を行うため、咽頭の場合はうがい検査、性器の場合は腟ぬぐい検査、肛門の場合は肛門ぬぐい検査となります。

HIVや梅毒は、血液で検査を行います。

検査が可能になる時期は、それぞれ異なります。感染機会から24時間経過していれば検査が可能なものもあれば、感染機会から4週間経過しないと検査できないものもあります。

症状が出ている場合は、検査可能時期を待たず、一度医師に相談いただくことをおすすめします。

感染機会から24時間経過していれば検査可能な性病

淋菌・クラミジア・マイコプラズマ・ウレアプラズマ

感染機会から4週間以上経過しないと検査できない性病

HIV・梅毒・B型肝炎

当院では、女性の方に対して下記のようなお得なセットメニューをご用意しております。

どの検査が自分に必要なのかわからない場合は、クリニックに来られた際に医師や看護師に相談してください。

それぞれの性生活に合わせて、適切な検査を提案させていただきます。

個室で診察をさせていただくため、周りの方にお話しが聞こえることはありませんのでご安心ください。

レディースセット

内容:淋病・クラミジア(性器)・カンジダ・トリコモナス・細菌性腟症

料金:11,000円(税込)*

検査結果:カンジダ・トリコモナス・細菌性腟症は即日(30分程度)、他は3-4日後

こんな人にオススメ:腟に感染する代表的な性病とおりものの状態を一緒に調べたい方

・おりもの検査は、必ず医師からの説明となりますので、別途診察料**がかかります。

レディースベーシック
セット

内容:淋病・クラミジア(性器・咽頭)・カンジダ・トリコモナス・細菌性腟症・HIV・梅毒・B型肝炎

料金:22,000円(税込)*

検査結果:カンジダ・トリコモナス・細菌性腟症は即日(30分程度)、他は3-5日後

こんな人にオススメ:性器+のど(オーラルセックス)に感染する代表的な性病を一通り調べたい方

・おりもの検査は、必ず医師からの説明となりますので、別途診察料**がかかります。

レディースブライダル
セット

内容:淋病・クラミジア・マイコプラズマ・ウレアプラズマ(性器・咽頭)・カンジダ・トリコモナス・細菌性腟症・HIV・梅毒・B型肝炎

料金:36,000円(税込)*

検査結果:カンジダ・トリコモナス・細菌性腟症は即日(30分程度)、淋病・クラミジア・HIV・梅毒・B型肝炎は3-5日後、マイコプラズマ・ウレアプラズマは7-10日

こんな人にオススメ:新たにお付き合いを始める方や結婚前に性病をしっかり調べたい方

・おりもの検査は、必ず医師からの説明となりますので、別途診察料**がかかります。

*25歳以下の学生様の場合、割引がございますので学生証をご持参ください。

**初診料は2,500円、再診料は1,000円となります(いずれも税込)。

当院では、検査後数日で結果をメールにお送りしています。そのため、検査結果を聞きに再度クリニックに来ていただく必要はございません。

即日検査の場合は、検査から30分程度で結果のお伝えが可能です。

治療は必要?

性病は自然に治ることはありません

「症状がないから大丈夫」「感染したけど、症状が改善したから大丈夫」と思われることもありますが、症状有無にかかわらず感染を放置した場合、全身へと感染が広がり命に関わることもあります。そのため、必ず治療が必要です。

性病は「感染したら抗体ができて、次はかかりにくくなる」ということはなく、何度でも感染する可能性があります

感染が発覚し治療をしても、性行為の相手が未治療の場合は、残念ながらもう一度感染します。再感染を防ぐために、性行為の相手が特定できる場合は一緒に治療を行うことが大切です。

女性の場合、治療は婦人科や性病科で治療を受けることができます。当院でも、あらゆる性病の治療を行うことが可能です

どうすれば性病を防げる?

性病を確実に回避できる唯一の方法は、性行為をしない事です。とはいえ、そんなことはできないから困っているという人は多いかと思います。

性病の感染リスクを減らす、また感染しても重症化させないためには以下のことが大切です。

性病の予防方法

・正しくコンドームをつける

・ワクチンの接種、予防薬の内服を行う

・特定のパートナーができた時は、初めての性行為の前に一緒に性病の検査を受ける

・定期的に検査を受ける

・性行為のパートナーの数を減らす

コンドームの使用は、粘膜や体液の接触を防ぐため感染のリスクを大幅に減らすことができるといわれています。

また、当院では性病を予防するためのワクチンや内服薬があります。これらは、自分が接種することで、自分自身の体を守る方法です。

「アレルギーで相手がコンドームをつけられない」「不特定多数との性行為はやむを得ない」「自分の身は自分で守りたい」などの場合は、接種をご検討いただくことをお勧めします。

五大性病と予防

・HIV➡HIV予防薬(PrEP・PEP)

・B型肝炎➡肝炎ワクチン

・梅毒➡ドキシペップ

・クラミジア➡ドキシペップ

・淋菌➡ドキシペップ淋菌ワクチン

・HPV➡HPVワクチン

・各項目をクリックすると、詳細なページに進むことができます。

性病は感染している人との接触で感染します。自然に発生することはないため、新しいパートナーができた時は、一緒に性病の検査を受けていただく事で早期発見・早期治療につながります。

不特定の方との性行為がある場合は、どうしても性病のリスクは避けては通れません。

多くの性病は早期発見・早期治療の場合、体に影響を残すことはありません。感染を放置することで、不妊の原因や重大な合併症を起こすことがあるため、定期的な検査が大切です。

また、以下の方法では性病は防ぐことができません。

下記では性病は防げません

・性行為後の腟内洗浄

・ピルの内服

「性行為の後に腟の中を洗っているので、性病は心配ないです!」といったお声を頂くことがあります。

残念ながら、腟を洗うことでの感染予防はできず、むしろ膣内の環境を悪化させ、腟炎を起こす原因になってしまいます。そのため、腟内洗浄はお勧めできません

低用量ピルやアフターピルは避妊の効果はありますが、性病予防には効果がありません。ピルを内服している場合でも、感染のリスクがある場合は検査を行うことが大切です。

検査を受けたいけどお金がなくてためらっている方へ

当院では、学生向けに学割料金を設定しています。25歳以下の学生の方は、学生証のご提示で学割料金が適応となりますので、ご来院の際はお持ちください。

また、検査の重要性を知っていただき、より多くの方に検査を受けていただけるよう2種類の500円(ワンコイン)検査デーを不定期に開催しています。

ワンコイン検査デー

・ワンコイン検査デー(HIV・梅毒・B型肝炎の500円検査)

・レディース検査デー(女性向け淋菌・クラミジア・梅毒の500円検査)

開催日は、決まり次第ホームページでお知らせをしていますので、検査を躊躇されている方はぜひご利用ください(※完全予約制となります)。

この記事を監修した医師

<医師 塩尻 大輔>
パーソナルヘルスクリニック院長、医学博士。
国立国際医療研究センター(東京都新宿区)とパーソナルヘルスクリニックにて、HIVやPrEPをはじめ、性感染症・性病検査に関する科学的根拠に基づいた正しい知識と、患者様の心に寄り添った医療を提供されています。
日本生まれですがアフリカのケニア育ちで、現地でも医師免許を取得しており、医療支援や教育支援等を実施されています。
当院でも非常勤医師として診療いただいております。