クラミジアはキスでうつる?のど感染のリスクと検査方法
「キスをしただけなのに、クラミジアがうつっていないか心配」「パートナーがクラミジアだとわかったけれど、キスしかしていない」そんな不安を抱えて、このページにたどり着いた方もいるのではないでしょうか。
クラミジアは性器だけでなく、のどにも感染することがある性感染症です。ただし、キスによる感染リスクの考え方は、オーラルセックスなどとは異なります。また、のどのクラミジアは症状だけでは判断できず、確認には検査が必要です。
この記事では、キスとクラミジアの関係、のどへの感染の特徴、検査の受け方を解説します。
キスでクラミジアはうつるのか
キスでもクラミジアに感染する可能性はあります。軽いキス・濃厚なキスのいずれについても、感染可能性を0と断定することはできません。
キスによる感染リスクの程度を示す明確なデータは乏しく、どの程度感染しやすいかを数値で示すことはできません。そのため、キスを含む性的接触があり不安な場合は、症状の有無だけで判断せず、検査で確認することが大切です。
また、クラミジアはオーラルセックスや性器同士の性行為などでも感染します。どの行為が感染経路だったかを特定するよりも、どの部位に感染の可能性があるかを考えて、必要な検査を受けることが重要です。
(出典:厚生労働省「オーラルセックスによる性感染症に関するQ&A」)
クラミジアが感染する主な経路
クラミジアは、クラミジア・トラコマティスという細菌による性感染症で、感染している人の粘膜や分泌液との接触によってうつります。この章では、クラミジアの主な感染経路について3点に分けて解説します。
性器同士の性行為
最も一般的な感染経路は、性器同士の接触を伴う性行為です。クラミジアは男性では尿道、女性では子宮頸管などに感染します。感染していても自覚症状がほとんど出ないことが多く、本人が気づかないまま、パートナーにうつしてしまうケースが少なくありません。
特に女性は症状が乏しい傾向があり、放置すると感染が子宮や卵管へ広がり、不妊や子宮外妊娠の原因になることがあります。男性でも、排尿時の軽い違和感程度で済んでしまい、受診が遅れることがあります。コンドームを最初から最後まで正しく使うことで、感染のリスクを下げることができます。
オーラルセックス
オーラルセックスでは、口から性器へ、性器から口へという双方向の感染が起こりえます。性器にクラミジアがある人に対してオーラルセックスを行うと、のどに感染することがあり、逆にのどに感染している人からのオーラルセックスで相手の性器に感染することもあります。
(出典:厚生労働省「オーラルセックスによる性感染症に関するQ&A」)
アナルセックス
アナルセックスでは、肛門や直腸にクラミジアが感染することがあります。肛門・直腸への感染も症状が出にくく、自分では気づきにくいのが特徴です。
性器の検査だけを受けて陰性だった場合でも、肛門やのどに感染が残っている可能性があります。どの部位にリスクがあったかによって、必要な検査の部位は変わります。厚生労働省も、性感染症はオーラルセックスやアナルセックスでも感染するとしており、行為に応じて複数の部位を確認することが重要です。
(出典:厚生労働省「性感染症」)
のどのクラミジア(咽頭クラミジア)の特徴
のどに感染したクラミジアは「咽頭クラミジア」と呼ばれます。性器のクラミジアとは違った特徴があり、見逃されやすい感染症です。この章では、咽頭クラミジアの特徴について3点に分けて解説します。
ほとんど症状が出ない
厚生労働省によると、クラミジアがのどに感染した場合、通常は無症状とされています。のどの痛みや腫れといったはっきりした症状が出ないまま、感染が続くことが少なくありません。
症状がないため、本人は感染に気づかないまま過ごし、オーラルセックスを通じてパートナーの性器にうつしてしまうことがあります。「のどに異常を感じないから大丈夫」とは言えないのが、咽頭クラミジアの難しいところです。心当たりのある行為があった場合は、症状の有無にかかわらず検査を検討することが大切です。
特徴的な症状がない
咽頭クラミジアでは、のどの違和感や軽い痛みが出ることもありますが、それはかぜや扁桃炎など、ほかの原因によるのどの不調と区別がつかないものです。咽頭クラミジアには、これといった特徴的な症状がありません。
そのため、「のどが痛い=クラミジア」と考えるのも、「のどが痛くない=クラミジアではない」と考えるのも、どちらも正確ではありません。のどの不調が続く場合、原因としては内科的な病気のほか、淋菌・クラミジア・マイコプラズマ・ウレアプラズマといった性感染症も可能性の一つとして考えられます。
淋菌との同時感染が多い
クラミジアと淋菌は、同じような経路で感染するため、同時に感染していることが少なくありません。また、淋菌ものどに感染することがあり、厚生労働省の資料では、性器に淋菌が感染している人の10〜30%はのどにも感染していたと報告されています。のどの淋菌も、クラミジアと同様に通常は無症状とされています。
一方だけを検査・治療しても、もう一方が残っていれば、症状が続いたりパートナーへの感染が続いたりする原因になります。のどのクラミジアが気になる場合は、淋菌もあわせて検査することをおすすめします。
のどや肛門へのクラミジア感染については、下記のページも参考にしてください。
症状だけでは判断できない理由
ここまで見てきたとおり、クラミジア、特にのどのクラミジアは、症状の有無や内容だけで感染しているかどうかを判断することはできません。その理由は、主に次の3つです。
・のどに感染しても、通常は症状が出ない
・症状が出ても、かぜや扁桃炎と区別がつかない
・淋菌など、ほかの性感染症が同時に隠れていることがある
のどの違和感をインターネットで調べて「当てはまる」「当てはまらない」と判断しても、それは医学的な根拠にはなりません。自己診断はあくまで受診の目安としていただき、心当たりのある行為があった場合は、検査で確認することが大切です。
また、キスのあとにのどの違和感が出たとしても、それがクラミジアによるものかどうかは検査をしなければわかりません。一般的なかぜや、ほかの感染症の可能性も十分にあります。逆に、まったく症状がなくても、オーラルセックスなどのリスクがあった場合には、感染している可能性を考えて検査を受けることをおすすめします。
検査を検討したほうがよいケース
キスを含む性的接触があった場合、検査を受けたほうがよいのか迷う方も多いのではないでしょうか。以下のいずれかに当てはまる場合は、検査を検討してください。
・キスも含めて性行為を行った
・コンドームを使わずに性行為やオーラルセックスをした
・パートナーがクラミジアや淋菌と診断された
・新しいパートナーとの性的な接触があった
・のどの違和感が続いており、心当たりのある行為があった
・最後に性感染症の検査を受けてから時間がたっている
パートナーがクラミジアと診断された場合は、ご自身に症状がなくても検査を受けることが重要です。どちらか一方だけが治療しても、もう一方が感染したままであれば、再び感染し合う「ピンポン感染」が起こる可能性があります。
症状がなくても検査を受けるべき理由については、下記のページも参考にしてください。
のどのクラミジアの検査と治療
のどのクラミジアは、適切な検査で感染の有無を確認でき、感染していた場合も治療が可能です。この章では、検査と治療の流れについて3点に分けて解説します。
うがい液で検査する
いだてんクリニックでは、のどのクラミジアの検査にうがい液を使用しています。検査用の液体を口に含んで30秒ほどうがいし、容器に出すだけなので、痛みはありません。
以前は綿棒でのどを拭う方法が一般的でしたが、うがい液による検査でも拭う検査とほとんど差がないことがわかっており、体への負担が少ない方法として広まっています。「のどの検査は痛そう」と不安に感じている方も、安心して受けていただけます。
のどのクラミジアは、感染から24時間ほどたてば検査が可能です。キスやオーラルセックスのあとに不安を感じた場合も、翌日以降であれば検査を受けることができます。
通常検査と即日検査の違い
のどのクラミジアの検査には、通常検査と即日検査があります。
| 検査の種類 | 検査方法 | 結果が出るまで |
|---|---|---|
| 通常検査 | PCR検査 | 後日 |
| 即日検査 | 抗原検査 | 30分 |
通常検査で行うPCR(Polymerase Chain Reaction:ポリメラーゼ連鎖反応)検査は、クラミジアの遺伝子を調べる方法で、精度の高い検査として位置づけられています。即日検査は院内で行う抗原検査で、結果まで30分で確認できるため、早く結果を知りたい場合に適しています。なお、即日検査は自費のみの対応です。どちらの検査が適しているかは、状況に応じて医師と相談しながら選ぶことをおすすめします。
内服薬で治療する
のどのクラミジアと診断された場合は、抗菌薬の内服で治療します。治療には、ドキシサイクリン、アジスロマイシンなどの内服薬が用いられます。
治療中は、パートナーへの感染を防ぐため、性行為やオーラルセックスを控えることが大切です。また、パートナーも検査・治療を受けないと、再び感染し合う可能性があります。治療後の確認や性行為を再開するタイミングについては、医師の指示に従ってください。
性感染症の検査内容や治療については、下記のページも参考にしてください。
検査ごとの費用については、下記のページも参考にしてください。
まとめ
・軽いキス・濃厚なキスのいずれでも、クラミジアの感染可能性を0とは言い切れない
・キスを含む性的接触があり不安な場合は、症状の有無にかかわらず検査で確認することが大切
・のどのクラミジアの主な感染経路はオーラルセックスで、口と性器の双方向に感染しうる
・のどのクラミジアは通常は無症状で、特徴的な症状もない
・症状だけでは判断できないため、心当たりがある場合は検査が必要
・淋菌との同時感染が多く、あわせて検査することが望ましい
キスをきっかけに不安を感じた場合も、実際にどのような行為があったかを振り返り、リスクのある部位を検査で確認することが大切です。いだてんクリニックでは、うがい液によるのどの検査をはじめ、性器・肛門を含む複数部位の検査に対応しています。不安を抱えたまま過ごすより、まずは検査で確かめてみてはいかがでしょうか。
よくある質問
キスだけでクラミジアに感染することはありますか?
キスだけでもクラミジアに感染する可能性はあり、軽いキス・濃厚なキスのいずれについても感染可能性を0とは言い切れません。症状がなくても感染していることがあるため、キスを含む性的接触があり不安な場合は、検査を受けて確認することをおすすめします。
のどのクラミジアにはどんな症状がありますか?
のどに感染したクラミジアは、通常は無症状です。のどの違和感や軽い痛みが出ることもありますが、かぜや扁桃炎などと区別がつかず、特徴的な症状はありません。症状だけでは判断できないため、心当たりのある行為があった場合は検査で確認することが大切です。
のどに症状がなければ検査は必要ありませんか?
症状がなくても、感染している可能性はあります。のどのクラミジアは通常は無症状のため、症状の有無は感染していないことの証明にはなりません。オーラルセックスをした場合や、パートナーがクラミジアと診断された場合は、症状がなくても検査を受けることをおすすめします。
キスやオーラルセックスのあと、いつから検査できますか?
のどのクラミジアは、感染から24時間ほどたてば検査が可能です。心当たりのある行為から1日以上たっていれば、検査を受けることができます。不安な場合は、早めに医療機関で相談してください。
のどの検査は痛いですか?
いだてんクリニックでは、のどの検査にうがい液を使用しています。検査用の液体で30秒ほどうがいをして容器に出すだけなので、痛みはありません。綿棒でのどを拭う検査に抵抗がある方も、安心して受けていただけます。
クラミジアと一緒に淋菌も検査したほうがよいですか?
はい、あわせて検査することをおすすめします。クラミジアと淋菌は同じような経路で感染し、同時に感染していることが少なくありません。どちらも、のどに感染した場合は通常は無症状です。一方だけを治療しても、もう一方が残っていると症状や感染が続く原因になります。
キスやオーラルセックスで感染する、のどの性感染症については、下記のページも参考にしてください。