性感染症について

症状がなくても性病検査を受けるべき?

症状がなくても性病検査を受けるべき?

「最近、不安な行為があった」「なんとなく体調が変だ」と感じたとき、性感染症の可能性が誰にでもあります。

性感染症の多くは自然に治ることはなく、感染したことに気がづかないまま、無症状で進行することもあります。

そのため、気になったときに検査することが大切です。

自分の健康を守るため、パートナーに感染を広げないためにも、早期発見と治療、予防が重要です。

この記事で言いたいこと

・自覚症状がない性感染症も多いため、定期的な検査が大切である。

・感染機会(キス、オーラルセックスも含む)があれば、自覚症状がなくても検査を行うことが重要である。

・感染の可能性がある場合は、早めの検査と治療が重要である。

・匿名で受けられる検査や、自宅でできる郵送検査キットもある。

目次の各項目をクリックすると、記事の途中までジャンプすることができます。

症状と検査の時期・方法

性感染症にはさまざまな種類があり、症状や検査できるまでの期間も異なります。

感染後はすぐに正確な結果がでない場合もあるため、適切な時期に検査を受けることが大切です。

性感染症は、症状がでないものが多く、症状が出ていない=性感染症に感染していない、とは言えないことに注意が必要です!

性感染症においては、まずはHIV・B型肝炎・梅毒・淋病・クラミジア、の5つの代表的な性病を調べることをおすすめします。

HIV

症状
発熱・筋肉痛・頭痛・リンパの腫れ

検査可能時期
・感染機会から4週間以降
・NAT検査は感染機会から2週間以降

感染初期は風邪に似ており気づきにくいことが多いです。
感染後、無症状の期間が長いことも特徴です。

B型肝炎

症状
倦怠感・悪心・嘔吐・食欲不振・黄疸

検査可能時期
感染機会から4〜6週間以降

肝臓の炎症による症状や慢性化に注意が必要です。
慢性化した場合、症状がないことが多いです。

梅毒

症状
しこり・ただれ・リンパの腫れ

検査可能時期
・感染機会から4週間以降

初期に痛みがないため気づきにくいです。
症状が出ない人も多く、症状がでても自然に治ってしまうので病院受診をせず、治療が遅れるケースも多いです。

淋菌

症状
のどの痛み・腫れ
男性:排尿時痛・膿がでる、女性:おりもの量が増える・不正出血

検査可能時期
感染機会から24時間以降

女性は無症状が多く、進行すると骨盤炎のリスクがあります。
特に、のどや肛門の感染は症状が出ない方がほとんどです。

クラミジア

症状
男性:排尿時痛・透明~やや濁った分泌物、女性:おりもの量が増える・においや色が普段と違う

検査可能時期
感染機会から24時間以降

最大42%の方が淋病と合併感染していることがあります。
放置すると不妊の原因となることもあります。
特に、のどや肛門の感染は症状が出ない方がほとんどです。

検査を受けるタイミング

性感染症は、自覚症状がないものが多く、症状がでないまま進行することもあります。以下のような状況に当てはまる場合は、症状がなくても検査をおすすめします。

・パートナーに症状がある

・性行為時にコンドームを使用しなかった

・パートナーが変わった、複数のパートナーがいる

・のどの違和感、排尿時の軽い痛み、おりものの変化を感じる

・妊娠を考えている

・定期的な性病検査として

各感染症の検査方法は、下記から確認できます。

調べられる感染症検査方法検査時期
HIV・梅毒・B型肝炎血液検査感染機会から4週間
(B型肝炎は4~6週間)
淋菌・クラミジア尿検査感染機会から24時間
うがい検査
膣ぬぐい、肛門ぬぐい検査

感染経路

性感染症は、主に体液や粘膜を通じて感染します。

お風呂やサウナ、トイレなど日常生活で間接的に感染することは基本的にありません。

しかし、トリコモナス症など一部の性感染症では、まれにタオルや浴槽などを介した感染の報告もあるため注意が必要です。

性的感染(膣性交、肛門性交、オーラルセックス)

口の中の粘膜や性器の粘膜、肛門の粘膜から病原体が侵入することで感染します。

特に、肛門は粘膜が弱く、避けやすいため感染リスクが高いと言われています。

母子感染(HIV、梅毒、B型肝炎など)

感染している母親から胎内を通して、出産時、または母乳を通じて赤ちゃんに感染することがあります。

これにより、早産や流産、または先天性の障害がおこる可能性があります。

血液感染

輸血、不適切な注射器使いまわし、医療現場での針刺し事故などにより感染することがあります。

感染を防ぐには

感染を防ぐにはコンドームを正しく使用したり、オーラルセックスでもコンドームを使用して行うことが重要です。

また、ワクチンの接種や予防薬を使用することも感染を防ぐのに効果的です。

ワクチン(淋菌・肝炎・HPV)に関しての詳しい説明は下のブログよりご確認ください。

画像をタップすることで詳しい内容が見れます。

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予防薬(HIV-PrEP、ドキシペップ)に関しての詳しい説明は下のブログよりご確認ください。

画像をタップすることで詳しい内容が見れます。

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検査の流れ

性感染症の検査は簡単・気軽に行えます。

step1

予約

オンラインでの予約、匿名で検査ができます。

step2

検査

症状や感染の可能性に応じて、必要な検査を実施します。診察なしの検査も可能です。

また、郵送検査キットなら自宅で誰にも合わずに検査できます。

step3

結果通知

通常検査:検査結果は数日以内にメールで通知

即日検査:検査後30分程度で結果説明を行います。

即日検査は通常検査と比べ、精度が落ちるものもありますので、検査に悩まれる場合はご来院いただき、スタッフとご相談ください。

この記事を監修した医師

<医師 塩尻 大輔>
パーソナルヘルスクリニック院長、医学博士。
国立国際医療研究センター(東京都新宿区)とパーソナルヘルスクリニックにて、HIVやPrEPをはじめ、性感染症・性病検査に関する科学的根拠に基づいた正しい知識と、患者様の心に寄り添った医療を提供されています。
日本生まれですがアフリカのケニア育ちで、現地でも医師免許を取得しており、医療支援や教育支援等を実施されています。
当院でも非常勤医師として診療いただいております。