HIV / PrEP・PEP

PrEPの飲み方・飲み合わせ・よくあるご質問

PrEPの飲み方・飲み合わせ・よくあるご質問

HIV予防薬であるPrEPについて、飲み方・飲み合わせ、よくあるご質問をまとめています。

PrEPは正しい服用と検査による見守りが非常に重要です。飲み合わせなどでご質問などがありましたらLINEでのお問い合わせも可能です。

目次の各項目をクリックすると、記事の途中までジャンプすることができます。

PrEPの効果と使用方法

PrEPの飲み方は2通りあります。 月に2回以上性行為がある方はデイリーPrEP(毎日服用)を推奨します。

服用の仕方でわからない点がある場合は、医師に必ずお問い合わせください。

下記のリンクからも、PrEPについて詳しい説明をご覧いただけます。

デイリーPrEP

性交渉に関係なく、毎日1回1錠をご自身の決めた時間に服用します。

デイリーPrEPは99%以上の予防効果があり安全性が確立された服用方法です。

オンデマンドPrEP

性交渉の前後に服用する方法です。予防効果は86%と報告されています。

性交渉の2~24時間前に2錠、その24時間後に1錠、更にその24時間後に1錠服用します。

服用する時間は、最初の2錠を飲んだ時間に固定してください。

性行為が数日続く場合:24時間ごとの服用を続け、最後に性交渉があった日から2日間は続けて1錠ずつ服用します。

2回目の内服は性行為から24時間後ではなく、1回目の内服から24時間後になります。

オンデマンドPrEPの使用方法を誤ってしまった場合(例:最初に2錠ではなく1錠服用してしまった、行為が終わってから、1錠を2日服用できなかったなど)は、HIVの予防効果はありません。ご心配な方は、LINEでお問い合わせください。

服用方法に困ったら

当院ではデイリーPrEPの内服をお勧めしています。

オンデマンドPrEPはきまった時間に正しく飲む必要があり、飲み忘れたり正しい服用ができなかった際のHIV感染が報告されています。

デイリーPrEPの場合は、飲む時間がずれたり飲み忘れたりしてもお薬の血中濃度が下がりづらく、予防効果が落ちにくいです。

特に月に2回以上性行為がある方は、デイリーPrEPを推奨します。

PrEPと注意すべき飲み合わせ

PrEPに関する飲み合わせについては、下記以外のお薬以外は問題ございません。

日常的な花粉症や生活習慣病のお薬、サプリメントなどとの併用は可能ですので、ご安心ください。

併用してはいけないお薬

C型肝炎の治療中で次の薬を使用している方:

テラプレビル

テラプレビルは国内で販売中止となっており、問題になることは極めてまれです。

併用に注意が必要なお薬

てんかんなどの治療中で次の薬を使用している方:

フェニトイン(アレビアチン)・フェノバルビタール(フェノバール)・ホスフェニトイン(ホストイン)・カルバマゼピン(テグレトール)

ヘルペスの治療中などで次の薬を使用している方:

アシクロビル(ゾビラックス、ビクロックス)・ガンシクロビル(デノシン)・バラシクロビル塩酸塩(バルトレックス)・バルガンシクロビル塩酸塩(バリキサ)

ヘルペスの治療を行っている方は、PrEPまたはヘルペス治療の副作用がでやすくなる可能性があります。ご心配な方はLINEでお問い合わせください。

その他、腎毒性があると主治医から言われているお薬を日常的に飲んでいる場合はご相談ください。(頓服のロキソニンなどは問題がございません)

デシコビに関する詳しい併用禁忌薬・併用注意薬は、国立国際医療研究センターの下記サイトをご覧ください。

当院の公式LINEでも、飲み合わせのご相談などを受け付けております。

PrEPに関するQ&A

PrEPに関するよくある質問を以下にまとめています。

ジェネリックと先発品の違いは何ですか?

ジェネリック(後発薬)は、先発品の特許が切れたあとに発売される、先発品と同じ有効成分・品質・効き目・安全性が同等のお薬です。
PrEPの先発品は1ヶ月分が110,000円以上と非常に高価であり、当院では患者様に安価に提供するためジェネリックを採用しています。

なぜ他院より安いのですか?

当院では、後発薬(ジェネリック薬)を採用し費用を抑えています。
また、日本でもHIV予防薬を普及させたいという思いから、できる限り安価に提供しています。

2種類の薬がありますが、どちらがいいですか?

ツルバダのジェネリック薬が一般的ですが、最近はデシコビのジェネリック薬が多く使われるようになってきました。
デシコビはツルバダよりも新しい薬で、腎機能の低下や骨密度の低下が少なく、より身体の負担が少ない新薬です。
詳しくは医師とご相談ください。

デイリーとオンデマンド、どちらの飲み方がいいですか?

月に2回以上性行為がある方はデイリー(毎日服用)を推奨します。万が一飲み忘れがあった際も、デイリーの方が感染リスクが低くなるためです。

PrEPの服用をしていても、コンドームは必要ですか?

PrEPで予防できるのはHIVウイルスの感染のみです。他の性感染症を予防することはできません。
PrEP中もコンドームを使用した安全な性行動を心がけましょう。

薬を飲み忘れてしまいました。どうしたらよいのでしょうか?

飲み忘れていることに気づいたらすぐに飲み、翌日はいつも通りの時間にお薬を飲んでください。

お薬の保管はどのようにしたらよいのでしょうか?

お薬は乾燥剤入りのボトルに入っています。ボトルは室温で保管してください。冷蔵庫や高温になる車内などに置かないよう注意してください。

この記事を監修した医師

<医師 塩尻 大輔>
パーソナルヘルスクリニック院長、医学博士。
国立国際医療研究センター(東京都新宿区)とパーソナルヘルスクリニックにて、HIVやPrEPをはじめ、性感染症・性病検査に関する科学的根拠に基づいた正しい知識と、患者様の心に寄り添った医療を提供されています。
日本生まれですがアフリカのケニア育ちで、現地でも医師免許を取得しており、医療支援や教育支援等を実施されています。
当院でも非常勤医師として診療いただいております。