「中央アメリカ・南アメリカ」 に留学・渡航される方へ

対象地域
ブラジル・アルゼンチン・ペルー・メキシコなど
この記事で言いたい事
中南米では黄熱病のリスクがある国が多く、経由国によっては黄熱病ワクチンの接種が必須になることがあります。
黄熱病の接種要件は国ごとに異なり、隣接する国や地域でも要件が変わる可能性があるため、渡航前には最新情報を確認しましょう。
また、A型肝炎、B型肝炎、腸チフスのワクチンも推奨されており、特に衛生環境が十分でない地域では注意が必要です。
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オススメのワクチン
ワクチン | 推奨程度 | 取り扱いワクチン | 接種回数 | 費用(すべて税込) |
---|---|---|---|---|
黄熱病 | ◎対象の地域 | 検疫所などでのみ接種可能です。当院では接種できません。 | ||
麻疹 | ◎ | MMR(PriorixまたはMMRⅡ) | 1~2回 | 10,000円 |
風疹 | ||||
破傷風※1 | ◎ | 破傷風トキソイド | 1or3回★ | 4,000円 |
腸チフス | ◎ | Typbar TCV | 1回 | 10,000円 |
A型肝炎※2 | ◎ | エイムゲン | 3回 | 8,000円 |
Havrix | 2回 | 15,000円 | ||
B型肝炎※2 | 〇長期滞在は推奨 | ビームゲン | 3回 | 7,000円 |
狂犬病 | 〇動物に触れあう場合推奨 | ChiroRab | 3回 | 13,000円 |
インフルエンザ | 〇流行時期の場合推奨 | インフルエンザ HAワクチン | 原則1回 | 4,000円 |
マラリア | △地方の発生地域の場合推奨 | マラロン | 渡航1~2日前から内服開始1日1回1錠内服帰国後1週間服用 | 750円/錠 |
メファキン | 渡航1~2週前から内服開始1週間に1回1錠内服帰国後4週間服用し終了 | 1,100円/錠 |
★ 幼少期に基礎接種完了している場合は1回
※1 Tdap(破傷風・百日咳・ジフテリア)9,000円(税込)の取り扱いもございます。
※2 A型肝炎B型肝炎混合ワクチン(Twinrix)13,000円(税込)の取り扱いもございます。
渡航先で注意すべき疾患は、下記のページで詳しく解説しております。
滞在先での注意事項
高山病への備え
南アメリカのアンデス地方では、高山病のリスクがあるため、標高の高い地域に滞在する際は、ゆっくりと高度に適応し、水分をしっかりとることが推奨されています。
飲食による感染症の予防
寄生虫感染のリスクも高く、生水の摂取や生野菜の食事には注意が必要です。
氷入りの飲み物も避けましょう。
カットの果物やサラダは水道水で洗っていることがあるため、果物は自分で皮をむいて食べましょう。
食べ物や水を介して感染するA型肝炎や腸チフスは事前にワクチンを接種することで、感染リスクを下げることができます。
シャーガス病と虫よけ対策
サシガメ(カメムシのような昆虫)を媒介してシャーガス病に感染することがあります。
宿泊施設の選択に注意するとともに虫よけ対策を行ってください。
蚊が媒介する感染症に注意
蚊が媒介するデング熱、ジカ熱、チクングニア熱のリスクがありますが、デング熱ワクチンはまだ一般的ではありません。
防蚊対策を徹底することが重要です。
狂犬病など野生動物との接触リスク
野犬や放し飼いの犬が多く、狂犬病の報告があります。
野犬や野良猫、コウモリなどに近寄らないようにしましょう。
また、狂犬病ワクチンを接種することがお勧めです。
予約
予防接種は予約なしでも接種が可能です。
予約の方を優先にご案内しておりますので、予定が決まっている場合は下記よりご予約をお願いいたします。
・母子手帳(コピーや写真でも可)
・書類(所定の書式の診断書やワクチン接種証明書の発行を希望の場合は書類をお持ちください)
<医師 忽那 賢志>感染症内科専門医、医学博士。 日本最大のトラベルクリニックを擁する国立国際医療研究センター病院(東京都新宿区)にて、約10年間渡航医学・輸入感染症診療に携わり、現在も診療・研究などを行っておられます。 他の専門領域は新興再興感染症、新型コロナウイルス感染症で、メディアやインターネットなど様々な媒体で感染症の啓発に取り組んでおられます。 当院でも非常勤医師として診療いただいている他、トラベル外来の監修も行っていただいております。
