「カリブ」に留学・渡航される方へ

対象地域
キューバ・ドミニカ共和国・ハイチ・ジャマイカなど
この記事で言いたい事
カリブ地域の一部では黄熱病への感染リスクがあるため、渡航先によっては黄熱病ワクチンの接種が必要になります。
また、マラリアやデング熱はカリブの多くの国で報告されており、防蚊対策が必要です。
水道水の汚染や食品衛生に問題があるため、長期間の滞在の場合はA型肝炎、腸チフスのワクチンの接種が推奨されます。
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オススメのワクチン
ワクチン | 推奨程度 | 取り扱いワクチン | 接種回数 | 費用(すべて税込) |
---|---|---|---|---|
麻疹 | ◎ | MMR(PriorixまたはMMRⅡ) | 1~2回 | 10,000円 |
風疹 | ||||
破傷風※1 | ◎ | 破傷風トキソイド | 1or3回★ | 4,000円 |
A型肝炎※2 | ◎ | エイムゲン | 3回 | 8,000円 |
Havrix | 2回 | 15,000円 | ||
インフルエンザ | 〇流行時期の場合推奨 | インフルエンザ HAワクチン | 原則1回 | 4,000円 |
狂犬病 | 〇動物に触れあう場合推奨 | ChiroRab | 3回 | 13,000円 |
B型肝炎※2 | 〇長期滞在は推奨 | ビームゲン | 3回 | 7,000円 |
腸チフス | 〇長期滞在は推奨 | Typbar TCV | 1回 | 10,000円 |
マラリア | 〇発生地域の場合推奨 | マラロン | 渡航1~2日前から内服開始1日1回1錠内服帰国後1週間服用 | 750円/錠 |
メファキン | 渡航1~2週前から内服開始1週間に1回1錠内服帰国後4週間服用し終了 | 1,100円/錠 |
★ 幼少期に基礎接種完了している場合は1回
※1 Tdap(破傷風・百日咳・ジフテリア)9,000円(税込)の取り扱いもございます。
※2 A型肝炎B型肝炎混合ワクチン(Twinrix)13,000円(税込)の取り扱いもございます。
渡航先で注意すべき疾患は、下記のページで詳しく解説しております。
滞在先での注意事項
飲食による感染症の予防
カリブではインフラが十分でないことがあります。
飲食による感染症に注意が必要です。生水や氷、生野菜、カットフルーツは避け、果物は自分で皮をむいて食べましょう。
食べ物や水を介して感染するA型肝炎や腸チフスは、事前のワクチン接種で予防可能です。
狂犬病など野生動物との接触リスク
野生動物との接触を避けることも重要です。
犬、コウモリなどから感染する狂犬病のリスクがあるため、動物に近づかないよう注意し、必要に応じて狂犬病ワクチンの接種も検討しましょう。
防蚊対策
カリブでは、一年中広い範囲で蚊が媒介となって感染するマラリアの発生が報告されています。
また、デング熱のリスクが高いため、防蚊対策が欠かせません。
デング熱ワクチンは一部の国で導入されていますが、日本では一般的に接種できないため、蚊に刺されないための対策(長袖の着用、虫除けスプレーの使用)などが重要です。
予約
予防接種は予約なしでも接種が可能です。
予約の方を優先にご案内しておりますので、予定が決まっている場合は下記よりご予約をお願いいたします。
・母子手帳(コピーや写真でも可)
・書類(所定の書式の診断書やワクチン接種証明書の発行を希望の場合は書類をお持ちください)
<医師 忽那 賢志>感染症内科専門医、医学博士。 日本最大のトラベルクリニックを擁する国立国際医療研究センター病院(東京都新宿区)にて、約10年間渡航医学・輸入感染症診療に携わり、現在も診療・研究などを行っておられます。 他の専門領域は新興再興感染症、新型コロナウイルス感染症で、メディアやインターネットなど様々な媒体で感染症の啓発に取り組んでおられます。 当院でも非常勤医師として診療いただいている他、トラベル外来の監修も行っていただいております。
