今こそHIV/梅毒の検査をしよう
いだてんクリニックは、ゴールデンウィーク中5月3日から7日まで全日営業いたします。この期間中に、ワンコインでHIVと梅毒の検査を行えるキャンペーンを行います。
では、今なぜHIVや梅毒を検査する必要があるのでしょうか?
・HIVと梅毒は早期発見が重要である。
・HIVは、保健所の検査数の減少が見られ、いきなりAIDSの患者は増えている。
・梅毒は、近年非常に増えている。
・HIV/AIDSと梅毒は互いに感染確率を高める。
HIVは早期発見が重要
HIVとは、ヒト免疫不全ウイルス(Human Immunodeficiency Virus)のことで、ヒトに感染すると免疫力を低下させるウイルスです。
エイズ(acquired immunodeficiency syndrome: AIDS)は、HIVに感染して免疫が低下して、23種類の病気(エイズ指標疾患)のどれかを発症した場合のことをいいます。
HIV/AIDSに対する治療は、1981年以降劇的に進んでおり、毎年治療がアップデートされています。現在では、HIV/AIDSを正しく治療すれば、十分にコントロールすることができ、他の人に移すこともありません。
HIV/AIDSは、早期発見・早期治療が非常に重要であり、定期的な検査は非常に重要です。
HIVの検査数は減っている
では、HIVの検査はどのくらい行われているのでしょうか。
HIVの検査は保健所やクリニックで行われていますが、COVID-19の蔓延後の2020年以降、HIVの検査数が大幅に減少しています。
2019年と比較し、2020年は実に1/3程度まで検査数が減少し、翌年も検査数はさらに減少している状況です。
一方、HIV/AIDSの報告数を見てみると、HIV感染者の数は概ね横ばいであるにも関わらず、AIDS患者は増加していることがわかります。
早期発見ができずに「いきなりAIDS」として発見されている患者が増えていることになります。
HIV/AIDSの治療は、非常に進歩していますが、早期発見ができなければ病気のコントロールは難しくなってしまいます。治療と同じくらい、検査を行うことは重要なのです。
梅毒も早期発見が重要
梅毒とは、梅毒トレポネーマという病原体により引き起こされる感染症です。
感染経路は主に性行為であり、感染者の皮膚、粘膜、体液、血液に存在する病原体が性行為、オーラルセックス、アナルセックス、キスにより感染します。また、一度感染しても再度感染する可能性があります。
梅毒に感染すると、潜伏期間中(感染機会から3週間程度)は症状がなく、気がつくことはないです。
一方、症状が進行すると日常生活ができない程の症状がでる病気で、進行期の治療は難しく、時間も要します。
また、妊娠中の梅毒感染は特に危険です。妊娠している人が梅毒に感染すると、母親だけでなく胎盤を通じて胎児にも感染し、死産や早産、生まれてくるこどもの神経や骨などに異常をきたすことがあります。生まれたときに症状がなくても、遅れて症状が出ることもあります。
このように、梅毒は気づきにくいことが多く、進行してしまうと治療が難しく、胎児にも影響を与える病気であり、早期発見・早期治療が重要です。
梅毒は今急増している
厚生労働省の報告によると、梅毒は2021年以降大きく増加しています。男性は20代~50代、女性は20代が突出して増えており、前述の通り無症状の方も多くいるので、注意が必要です。
HIVと梅毒は互いに感染リスクを高める
HIVに感染していると梅毒の感染リスクが高くなります。同様に、梅毒に感染しているとHIVの感染リスクが高くなるとされています。
特に、梅毒によって性器に潰瘍性の病変(深い傷)がある場合は、HIVの感染確率が上昇することが知られています。HIVと梅毒の両方に感染(重複感染)していることは、珍しいことではありません。
今こそHIV/梅毒の検査を受けよう
このように、HIVや梅毒は現在非常に大きな社会問題となっている性病です。
いだてんクリニックでは、HIV/梅毒の検査の重要性を広く知ってもらうために、「ワンコイン検査デー」を設け、500円ですぐに受けていただける日を設けております。ぜひ、この機会にこれらの病気の理解を深め、検査を受けてみましょう。
いだてんクリニックでは、性感染症全般に対して保険診療・自由診療双方から患者様によりよい医療を提供します。正しい知識をわかりやすく患者様に伝えるとともに、検査で陽性になっても、当院で可能な治療は引き続き行うことができ、専門機関への紹介が必要と判断すれば、迅速に対応いたします。ご不明な点がありましたら、お問い合わせかお電話でご連絡ください。
ワンコイン検査デーの説明はこちらの記事をご参照ください。
<医師 塩尻 大輔> パーソナルヘルスクリニック院長、医学博士。 国立国際医療研究センター(東京都新宿区)とパーソナルヘルスクリニックにて、HIVやPrEPをはじめ、性感染症・性病検査に関する科学的根拠に基づいた正しい知識と、患者様の心に寄り添った医療を提供されています。 日本生まれですがアフリカのケニア育ちで、現地でも医師免許を取得しており、医療支援や教育支援等を実施されています。 当院でも非常勤医師として診療いただいております。