トラベル外来

「南アフリカ」に留学・渡航される方へ

「南アフリカ」に留学・渡航される方へ

対象地域

南アフリカ共和国・ボツワナ・アンゴラ・ザンビア・ナミビアなど

この記事で言いたい事

アフリカでは、マラリア黄熱病などの蚊を媒介とする感染症のリスクが高く、特に熱帯地域では防蚊対策予防内服が必要です。

一部の国では黄熱病ワクチンの接種証明書の提示が求められます。

また、A型肝炎ワクチンは多くの国で接種が強く推奨されます。

その他、狂犬病ワクチン、腸チフスワクチン、麻疹をはじめとした流行性ウイルス疾患のワクチンも推奨されます。

目次の各項目をクリックすると、記事の途中までジャンプすることができます。

オススメのワクチン

ワクチン推奨程度取り扱いワクチン接種回数費用
(すべて税込)
麻疹MMR
(PriorixまたはMMRⅡ)
1~2回10,000円
風疹
破傷風※1※3破傷風トキソイド1or3回4,000円
A型肝炎※2エイムゲン3回8,000円
Havrix2回15,000円
腸チフス
不衛生地域の場合推奨
Typbar TCV1回10,000円
B型肝炎※2
長期滞在の場合推奨
ビームゲン3回7,000円
狂犬病
動物に触れあう場合推奨
ChiroRab3回13,000円
ポリオ※3
発生地域の場合推奨
DPT-IPV
(テトラビック)
1or3回13,000円
インフルエンザ
流行時期の場合推奨
インフルエンザ
HAワクチン
原則1回4,000円
マラリア
地方の発生地域の場合推奨
マラロン渡航1~2日前から内服開始
1日1回1錠内服
帰国後1週間服用
750円/錠
メファキン渡航1~2週前から内服開始
1週間に1回1錠内服
帰国後4週間服用し終了
1,100円/錠

★ 幼少期に基礎接種完了している場合は1回

※1 Tdap(破傷風・百日咳・ジフテリア)9,000円(税込)の取り扱いもございます。

※2 A型肝炎B型肝炎混合ワクチン(Twinrix)13,000円(税込)の取り扱いもございます。

※3 DPT-IPV(破傷風・百日咳・ジフテリア・ポリオ)13,000円(税込)の取り扱いもございます。ポリオワクチン単体の取り扱いはございません。

渡航先で注意すべき疾患は、下記のページで詳しく解説しております。

滞在先での注意事項

飲食による感染症の予防

都市部の水道水は、食材や食器の洗浄、歯磨きなどに使う場合には問題はありませんが、飲水はミネラルウォーターを購入するようにしましょう。

氷、生野菜、カットフルーツは避け、果物は自分で皮をむいて食べるとより安全です。

食事は、信頼できる飲食店で十分加熱されたものを冷めないうちに食べるようにしましょう。

食べ物や水を介して感染するA型肝炎や腸チフスは、事前のワクチン接種で予防可能です。

防蚊対策

南アフリカ共和国では、一年中広い範囲で蚊が媒介となって感染するマラリアの発生が報告されています。

ナミビア、ボツワナでも11月から6月にかけて発生が確認されています。また、デング熱のリスクが高いため、防蚊対策が欠かせません。

デング熱ワクチンは一部の国で利用可能ですが、基本的には蚊に刺されない対策(長袖の着用、虫除けスプレーの使用)などが有効です。

夜間の室内でも蚊に刺されることがあるため、寝る際は蚊帳を使うなどの対策が有効です。

狂犬病など野生動物との接触リスク

南アフリカでは狂犬病の患者が毎年報告されています。

犬やアライグマ、コウモリなどの野生動物と触れ合う機会があれば、狂犬病ワクチンを接種することをお勧めします。

予約

予防接種は予約なしでも接種が可能です。

予約の方を優先にご案内しておりますので、予定が決まっている場合は下記よりご予約をお願いいたします。

来院時の持ち物

・母子手帳(コピーや写真でも可)

・書類(所定の書式の診断書やワクチン接種証明書の発行を希望の場合は書類をお持ちください)

この記事を監修した医師

<医師 忽那 賢志>
感染症内科専門医、医学博士。
日本最大のトラベルクリニックを擁する国立国際医療研究センター病院(東京都新宿区)にて、約10年間渡航医学・輸入感染症診療に携わり、現在も診療・研究などを行っておられます。
他の専門領域は新興再興感染症、新型コロナウイルス感染症で、メディアやインターネットなど様々な媒体で感染症の啓発に取り組んでおられます。
当院でも非常勤医師として診療いただいている他、トラベル外来の監修も行っていただいております。