「東ヨーロッパ」に留学・渡航される方へ

対象地域
ウクライナ・クロアチア・ブルガリア・チェコ・ルーマニア・リトアニアなど
この記事で言いたい事
東ヨーロッパでは基本的なワクチンの接種が推奨されるものの、特別な追加ワクチンはあまり必要とされません。
衛生状態が比較的悪い地域があり、長期間の滞在になる場合はA型肝炎ワクチンの接種が推奨されています。
近年、一部地域で麻疹の流行が報告されており、ワクチン接種が推奨されています。
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オススメのワクチン
ワクチン | 推奨程度 | 取り扱いワクチン | 接種回数 | 費用(すべて税込) |
---|---|---|---|---|
麻疹 | ◎ | MMR(PriorixまたはMMRⅡ) | 1~2回 | 10,000円 |
風疹 | ||||
破傷風※1 | ◎ | 破傷風トキソイド | 1or3回★ | 4,000円 |
インフルエンザ | 〇流行時期の場合推奨 | インフルエンザ HAワクチン | 原則1回 | 4,000円 |
A型肝炎※2 | 〇(長期滞在は推奨) | エイムゲン | 3回 | 8,000円 |
Havrix | 2回 | 15,000円 | ||
B型肝炎※2 | 〇長期滞在の場合推奨 | ビームゲン | 3回 | 7,000円 |
狂犬病 | 〇動物に触れあう場合推奨 | ChiroRab | 3回 | 13,000円 |
ダニ媒介性脳炎 | △長期滞在の場合検討 | FSME-IMMUN | 3回 | 12,000円 |
★ 幼少期に基礎接種完了している場合は1回
※1 Tdap(破傷風・百日咳・ジフテリア)9,000円(税込)の取り扱いもございます。
※2 A型肝炎B型肝炎混合ワクチン(Twinrix)13,000円(税込)の取り扱いもございます。
渡航先で注意すべき疾患は、下記のページで詳しく解説しております。
滞在先での注意事項
飲食による感染症の予防
東ヨーロッパでは衛生環境が整っていない屋台が見受けられます。
衛生的なレストランなどで火が通った食事をすることをお勧めします。
水道の設備は普及していますが、配管が老朽化しているところもあるようです。
飲水は水道水ではなくミネラルウォーターを飲むようにしましょう。
食品衛生の基準が国によって異なるため、生の食品を避ける等の基本的な対策を講じることが必要です。
ダニ媒介性脳炎の対策
ダニ媒介性脳炎は草原や森林地帯でダニに刺されることによって感染します。
ダニに咬まれないよう長袖・長ズボンの着用など虫よけ対策を行ってください。
狂犬病など野生動物との接触リスク
野良犬の多いところでは、近寄らないようにしましょう。
また、狂犬病ワクチンを接種することがお勧めです。
予約
予防接種は予約なしでも接種が可能です。
予約の方を優先にご案内しておりますので、予定が決まっている場合は下記よりご予約をお願いいたします。
・母子手帳(コピーや写真でも可)
・書類(所定の書式の診断書やワクチン接種証明書の発行を希望の場合は書類をお持ちください)
<医師 忽那 賢志>感染症内科専門医、医学博士。 日本最大のトラベルクリニックを擁する国立国際医療研究センター病院(東京都新宿区)にて、約10年間渡航医学・輸入感染症診療に携わり、現在も診療・研究などを行っておられます。 他の専門領域は新興再興感染症、新型コロナウイルス感染症で、メディアやインターネットなど様々な媒体で感染症の啓発に取り組んでおられます。 当院でも非常勤医師として診療いただいている他、トラベル外来の監修も行っていただいております。
