「豪州・ニュージーランド」に留学・渡航される方へ

対象地域
オーストラリア・ニュージーランド
この記事で言いたい事
この地域は比較的衛生的であり、特別な追加ワクチンは必要ないことが多いですが、麻疹や風疹が時折流行するため、MR(麻疹・風疹)ワクチン接種歴の確認が推奨されます。
破傷風ワクチンも有効期間が10年程度のため、ブースター接種(追加接種)を考えてもよいかもしれません。
また、デング熱のように、ワクチンがない病気もあるため防蚊対策が重要となります。
目次の各項目をクリックすると、記事の途中までジャンプすることができます。
オススメのワクチン
ワクチン | 推奨程度 | 取り扱いワクチン | 接種回数 | 費用(すべて税込) |
---|---|---|---|---|
麻疹 | ◎ | MMR(PriorixまたはMMRⅡ) | 1~2回 | 10,000円 |
風疹 | ||||
破傷風※1 | ◎ | 破傷風トキソイド | 1or3回★ | 4,000円 |
インフルエンザ | 〇流行時期の場合推奨 | インフルエンザ HAワクチン | 原則1回 | 4,000円 |
A型肝炎※2 | △ 長期滞在の場合推奨 | エイムゲン | 3回 | 8,000円 |
Havrix | 2回 | 15,000円 | ||
B型肝炎※2 | △ 長期滞在の場合推奨 | ビームゲン | 3回 | 7,000円 |
日本脳炎 | △ オーストラリアの 農村部の場合推奨 | ジェービックV | 1or3回★ | 7,500円 |
★ 幼少期に基礎接種完了している場合は1回
※1 Tdap(破傷風・百日咳・ジフテリア)9,000円(税込)の取り扱いもございます。
※2 A型肝炎B型肝炎混合ワクチン(Twinrix)13,000円(税込)の取り扱いもございます。
留学で入寮する学生は、各種流行性ウイルス疾患をはじめとする小児期の定期接種の他に髄膜炎菌ワクチン(特に結合型ワクチン)やTdap(破傷風・百日咳・ジフテリア)を要求されることが多いため確認が必要です。
また、オーストラリアなどの病院では、Tdapを要求されることが多いです。
渡航先で注意すべき疾患は、下記のページで詳しく解説しております。
滞在先での注意事項
飲料水の注意事
食べ物や飲み物から感染症が起こることは少ないです。
日本の水道水とは異なり、地域によっては硬水のため、一過性に下痢になることがあります。
ミネラルウォーターを飲むようにすると安心です。
防蚊対策
クイーンズランド州北部では、蚊が媒介となって感染するデング熱の報告があります。
報告地域では蚊に刺されない対策(長袖の着用、虫除けスプレーの使用)をお勧めします。
キャンプやハイキングでの注意
キャンプやハイキングを行う場合は、ダニや蚊に刺されない対策が必要です。
さらに日焼け対策として日焼け止めや帽子、サングラスを活用し、熱中症を防ぐために充分な水分補給を心掛けましょう。
予約
予防接種は予約なしでも接種が可能です。
予約の方を優先にご案内しておりますので、予定が決まっている場合は下記よりご予約をお願いいたします。
・母子手帳(コピーや写真でも可)
・書類(所定の書式の診断書やワクチン接種証明書の発行を希望の場合は書類をお持ちください)
<医師 忽那 賢志>感染症内科専門医、医学博士。 日本最大のトラベルクリニックを擁する国立国際医療研究センター病院(東京都新宿区)にて、約10年間渡航医学・輸入感染症診療に携わり、現在も診療・研究などを行っておられます。 他の専門領域は新興再興感染症、新型コロナウイルス感染症で、メディアやインターネットなど様々な媒体で感染症の啓発に取り組んでおられます。 当院でも非常勤医師として診療いただいている他、トラベル外来の監修も行っていただいております。
