HIVの治療

当院は、自立支援医療(更生医療)の指定機関です。HIVの継続的な治療を行うことが可能です。

これまでHIVの治療は、主にエイズ治療拠点病院で行われており、待ち時間が長いことや診療時間が仕事と合わないこと、通院時間の問題やプライバシー面など、多くの医療体験上の問題を抱えていました。

現在では、HIVは高血圧や糖尿病と同様に、コントロール可能な慢性疾患と言え、いつでも・どこでも・待たずに診療を継続することが患者さん生活の質を維持・向上させることにつながります。

いだてんクリニックは、性感染症だけでなくHIVを含めて、検査・予防・情報提供・そして治療に至るまで、患者様をサポートできる体制を構築しています。

当院でのHIV治療が可能な方

病状が安定しており、かかりつけ医(HIV治療医)からのこれまでの治療歴などを含む紹介状をご持参いただける方

HIVの治療継続をご希望の方は、現在HIV治療を行っている病院から紹介状を作成いただく必要がございます。

初回のHIV感染症の診断後やかかりつけ医がいない方は、当院連携のエイズ治療拠点病院にご紹介いたします。

HIV診療に関わる役所の手続きなどはご自身で行っていただく必要がございます。

他院からHIVの治療継続をご希望の場合、必ず紹介状をご持参の上、ご予約の上お越しください。

ご不明点がありましたら、公式LINEからお問い合わせください。

HIVの診断

HIVに感染しているかどうか分かるためには、スクリーニング検査と確認検査の2つの検査が必要になります。

スクリーニング検査を行い、判定保留もしくは陽性と出た場合に確認検査を行います。

確認検査で陽性であった場合に、HIVに感染していると診断されます。

HIVの治療

HIVを体内から完全になくす方法は、まだありません。しかし、新薬の登場によって、HIVの増殖を防ぎ、HIV感染症の進行を抑えることができるようになりました。

現在では、HIVは「慢性疾患」として捉えられ、感染前とほぼ同じような生活を送れるようになっています。

食事の有無にかかわらず1日1回1錠の服用で済む抗HIV薬の登場により、患者負担の少ない治療が可能となっています。

また、HIVに感染していても長期生存が期待できる時代に移り変わり、HIV感染後の平均余命はHIV感染前とほぼ変わらないことが報告されています。

HIV感染症の治療には、次の3つの目的があります。

HIVウイルス量の抑制

抗HIV薬と呼ばれる薬を使って、体内でのHIV増殖を阻止し、血中のHIVウイルス量を検出限界値未満に抑えることを目標とし、免疫機能の低下を防ぎます。

免疫機能の回復

CD4陽性T細胞の数を増やし、免疫機能を回復させ、日常的な感染症や特定のがんに対する抵抗力を向上させます。

日和見感染症の予防と治療

免疫機能の低下によって、発症する可能性のある日和見感染症があれば、予防薬を服用します。

日和見感染症を発症した場合、治療薬を服薬します。現在では、病原体にもよりますが、日和見感染症は、ほぼ完治させることが可能です。

「U=U」について

近年、「U=U(Undetectable:検出限界値未満=Untransmittable:うつらない)」という概念が注目を集めています。

U=Uとは

・抗HIV療法を継続することで、血中のウイルス量が200 copies/mL未満(日本では20 copies/mL未満)の状態を6ヶ月以上維持している状態のHIV陽性者は、

・他の人に性行為を通じてHIV感染させることは一切ない

すなわち、「検出限界値未満=HIVはうつらない」という科学的事実を表しています。

現在のHIVの治療は、適切な服薬状況が維持されている限り、耐性ウイルスが発生するリスクは極めて低く、健康な生活を送ることができ、かつ治療が奏功しているHIV陽性者から他の人にはうつらない時代となっています。

HIVの治療と生活の維持

HIV感染症の治療は、生涯継続する必要があります。

安心して治療を続けられるよう、医療費について利用できる制度を確認しておきましょう。

高額療養費制度

1か月の医療費が一定額を超えればいつでも利用できる制度で、HIV診断時から使用することができます。

医療費の自己負担を軽減するために、所得に応じて月の自己負担上限額が決まっています。

入院の際は、医療費が高額になることがあるため、保険者に「限度額適用認定証」を発行してもらいましょう。

身体障がい者手帳

HIV感染症は、検査データや症状により「免疫機能障害」の1~4級として身体障害者手帳の申請を行うことができます。

級や障害の状態等が該当した場合、医療費の助成や障害者のサービス等が利用できるようになります。

HIV感染症の治療費は、外来での1ヶ月分の医療費の自己負担で健康保険を利用しても約7〜8万円になります(3割負担で計算)。

このため多くの患者さんは、自己負担を減らすために身体障がい者手帳の申請を行った後、自立支援医療制度を利用して治療を行います。

身体障がい者手帳の申請を行うには、①エイズを発症している②4週間をあけた連続する2回の検査の結果がある、のいずれかを満たし他の認定条件を満たす必要があります。

当院では、これらの申請をエイズ治療拠点病院で行っていただけるよう適切にサポートしております。

自立支援医療(更生医療)

免疫機能障害として身体障がい者手帳を取得すると、HIV感染に関する医療に係る医療費の自己負担のみを軽減できます。

原則は1割負担ですが、世帯(同じ医療保険に加入している家族)の所得に応じて、月ごとの自己負担上限額が決められています。

さらに、免疫機能障害の人は<重度かつ継続>の対象となり、所得が一定以上でも自己負担上限額が設けられています(下表)。

毎月の自己負担上限額は所得(保険証の世帯)に応じて決まっています。

自立支援医療は、指定自立支援医療機関でしか使えません。

原則病院1か所、薬局1か所の登録となり、HIV治療に関する病院や薬局を変更する場合、主治医意見書が必要となります。自治体によっては主治医意見書が新たに必要になります。

一定所得以下 中間所得層 一定所得層
生活保護世帯 市町村民税非課税 重度かつ継続
本人収入が
80万円以下
本人収入が
80万円を超える
世帯
市町村民税
(所得割)
33,000円
未満
市町村民税
(所得割)
33,000円~
235,000円
市町村民税
(所得割)
235,000円
以上
0円 2,500円/月 5,000円/月 5,000円/月 10,000円/月 20,000円/月
重度心身障害者医療費助成

障がい者の医療費(保険診療内)の自己負担を軽減します。

助成対象は、各自治体によって所得要件や身体障害者手帳の等級範囲が異なります。

受けられるサービスの内容や障害者自立支援医療との併用については、ご自身で各自治体にお問い合わせください。

当院で重度心身障害者医療費助成を使用する場合、必ず大阪府内の「医療証」をご持参ください

受診の流れ

当院でHIVの治療継続をご希望の方は、現在HIV治療を行っている病院から紹介状を作成いただく必要がございます。

初回のHIV感染症の診断後やかかりつけ医がいない方は、当院連携のエイズ治療拠点病院にご紹介いたします。

HIV診療に関わる役所の手続きなどはご自身で行っていただく必要がございます。

自立支援医療(更生医療)を使用(併用)する方

step1

現在のエイズ治療拠点病院を受診

受診時にHIV治療薬(最大90日分)を受け取り、紹介状を作成いただくようお伝えください。

次に、患者様ご自身で当院でLINEを登録いただき、当院に「HIV治療継続の希望」の旨をお伝えください。当院から、必要書類のご案内をさせていただきます。


step2

役所にご自身で連絡、自立支援医療申請書類の取り寄せ

ご自身で該当の役所にご連絡の上、自立支援医療の申請書・同意書(市町村による)、医師意見書・明細書の書類をお手元にご用意ください。

step3

予約日に当院を受診

step2の書類をご持参の上、当院で診察を行わせて頂きます。医師意見書・明細書をお預かりし、記載が完了次第、LINEにご連絡いたします。

これらの書類をご自身で役所に申請を行ってください。(約1~2か月かかります)

医師意見書作成は、健康保険で3割負担となります。自立支援医療受給者証を受け取り後は、自立支援医療を用いて会計が可能となります。

step4

定期処方の開始

お手元に自立支援医療受給者証受け取り後は、当院で処方等が可能となります。

重度心身障害者医療費助成のみを使用する方

step1

現在のエイズ治療拠点病院を受診

患者様ご自身で当院でLINEを登録いただき、当院に「HIV治療継続の希望」の旨をお伝えください。当院から、必要書類のご案内をさせていただきます。


step2

予約日に当院を受診、定期処方の開始

お手元に、健康保険証・医療証をお持ちの上、ご予約日に当院にご来院ください。

当院では他にも性感染症の検査・治療・予防を提供しております。