舌下免疫療法
目がかゆい、鼻水が止まらない…こんな症状が続いていませんか?もしかしたら、スギ花粉やダニによるアレルギーかもしれません。
当院では、スギ花粉とダニに対するアレルギー症状を大きく改善できる舌下免疫療法を行うことができます。
舌下免疫療法の診察・処方には、当該医師および医療機関が舌下免疫療法薬の承認条件に基づいた講習会や試験に合格する必要があります。
当院の医師は、製品適正使用テストに合格しており、処方医療機関として認可されております。
どうぞ、安心してご来院ください。
舌下免疫療法は、検査および処方を保険診療で行うことが可能です。
舌下免疫療法を行うためには、「スギ花粉症」または「ダニアレルギー性鼻炎」の確定診断を受けた上で治療を受ける必要があります。
ご不明点がありましたら、公式LINEからお問い合わせください。
ご覧になりたい項目を選択してください。
舌下免疫療法とは
舌下免疫療法とは、アレルゲン免疫療法の一つです。アレルギーの原因であるアレルゲンを、少しずつ舌下投与で自分の体に慣らしていくことで、体をアレルゲンに慣らし、症状を和らげたり、根本的な体質改善を期待することができます。
舌下免疫療法は、これまでの皮下注射による皮下免疫療法のような痛みがなく、自宅で服用ができることから、患者様の負担の少ない方法です。
皮下免疫療法に比べ、アナフィラキシーショックのような全身性副反応が少ない一方、服用量や服用方法、副作用に対する対応などについて、患者様の理解が必要な治療法です。
日本では、舌下免疫療法は、スギ花粉症とダニアレルゲンによる通年性アレルギー性鼻炎のみが保険適用となっています。これらのアレルギー性鼻炎があるかの確定診断を行い、診断後治療を行うことができます。
花粉症とは、植物の花粉が原因となって、くしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどのアレルギー症状をおこす疾患です。
スギ花粉が原因となるものを、「スギ花粉症」と言い、およそ日本人の4割近くの人がスギ花粉症と言われています。
通年性アレルギー性鼻炎とは、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどのアレルギー症状が、季節を問わず出現する疾患で、日本人の25%程度の方が通年性アレルギー性鼻炎と言われています。
通年性アレルギー性鼻炎の主な原因は、ダニ、真菌(カビ)、昆虫、ペットの毛などが知られており、ダニが原因となるものを「ダニアレルギー性鼻炎」と言います。
舌下免疫療法の効果
舌下免疫療法を行うことにより、下記のような効果が期待できます。
長期にわたり、正しく治療が行われると、アレルギー症状を治したり、長期にわたり症状をおさえたりする効果が期待できます。
・くしゃみ、鼻水、鼻づまりの改善
・涙目、目のかゆみの改善
・アレルギー治療薬の減量
・QOL(生活の質)の改善
治療の効果を感じられるまでの目安は、下記を参考にしてください。
スギ花粉症:治療開始後の初めてのスギ花粉飛散シーズンから
ダニアレルギー性鼻炎:治療を開始して数ヵ月後から
いずれの治療でも、治療期間はおよそ3~5年が必要とされています。
舌下免疫療法の副作用
舌下免疫療法は、アレルゲンを舌下投与することから、局所または全身性のアレルギー反応が生じることがあります。
軽微な副作用として、下記のような口まわりを中心とした局所反応が見られることがあります。
・口の中の浮腫、かゆみ、不快感、異常感
・唇の腫れ
・喉の刺激感、不快感
・耳のかゆみ など
また、重篤な副作用として全身性のアレルギー(アナフィラキシーショック)が生じる可能性がごくまれにあります。
重篤なアレルギー反応が出るタイミングは、下記のように報告されています。
注意すべき時期
・服用後30分程度
・服用開始初期
・(スギ花粉症に対する舌下免疫療法の場合)スギ花粉が飛散している時期
このため、舌下免疫療法の初回投与は、必ず当院にご来院いただき、お薬を飲んで30分院内に滞在していただきます。
開始時の注意・服用期間
ここでは、舌下免疫療法の服用の実際と、いくつかの注意点を列挙します。
治療開始前に、必ず診断が必要です
舌下免疫療法を受けるにはスギ花粉症またはダニアレルギー性鼻炎であることの確定診断が必要です。
治療を開始する前に、当院で血清抗体検査を行い、診断を確定致します。
薬は1日1回1錠、舌下投与します
舌下投与後は1分間はつばを飲み込まず、口の中に入れたままにします。
飲んだ後は5分間はうがいをせず、飲食を控えましょう。
スギ花粉症は治療開始ができない時期があります
スギ花粉が飛散している時期(およそ12~5月、地域差あり)は、治療を開始することができません。
ダニアレルギー性鼻炎の治療は、通年を通していつでも可能です。
毎月の受診が必要で、治療期間は3~5年要します
舌下免疫療法は、3~5年にわたり継続して服用する必要があります。
初回の服用は、当院で行い、2日目からは自宅で服用が可能です。
少なくとも1か月に1度の受診が必要で、処方は最大30日です。
費用
舌下免疫療法は、保険診療で診察を行うことが可能です。
検査や処方に必要な費用は以下の通りです。
項目 | 費用(税込、3割負担) |
---|---|
初回検査+診察 | 約6,000円 |
初回・継続処方 | 約500円 (薬局での支払いは除く*) |
*薬局での費用はおよそ1,500~2,000円/月(3割負担の場合)となります。
診療の流れ
舌下免疫療法は、対面診療のみ検査・治療が可能です。
直接のご来院は、待ち時間が長くなることが想定されますので、事前にご予約および問診票のご記入をお願い致します。
予約
当院のLINEリッチメニューの「対面診療」からご予約をお願いします。
問診票の記入
公式LINEのリンクから、問診票の記入を行なってください。
当日にご来院後、診察・検査
当日、ご予約の時間にご来院ください。受付で番号をお渡しし、検査や会計などを含めて番号でお呼びいたします。
問診票に基づき、症状の程度などを詳しくお聞きし、舌下免疫療法を希望する場合、血液検査を行います。
結果説明・治療開始日決定
血液検査後、再度医師の診察を受け、舌下免疫療法の適応の可否を判断いたします。
適応がある場合、次回外来を予約し、処方箋をお渡しします。
処方箋は患者様ご自身で、発行日を含めて4日以内に、最寄りの薬局でお薬と交換していただきます。
患者様が希望される薬局で舌下免疫療法に関する薬剤の在庫があるかは、患者様御自身で問い合わせていただく必要がございます。
当院最寄りの薬局での取り扱い店についてもご紹介できますので、スタッフにお声掛けください。
初回治療
前回予約いただいた日時でご来院いただき、初回の服用を院内で行います。
30分院内に滞在いただき、問題がないかチェックの上お帰りいただけます。
継続治療
1か月ごとに、症状やアレルギー反応の有無を確認しながら、継続処方を行います。
治療は、およそ3~5年を要します。
重度のスギ花粉症の方へ
2020年より、重症・最重症のスギ花粉症に対して、2月~5月に抗IgE抗体オマリズマブ(ゾレア®)を皮下注射する治療を行うことができるようになりました。
スギ花粉症による症状が下記のように非常に強い方にとっては、検討する価値の高い治療と考えています。
・スギ花粉症によるくしゃみ・鼻みず・鼻づまりといった鼻炎症状がとても強い方
・飲み薬や点鼻薬などでもおさまらず、1日中スギ花粉症で悩んでいる方
・抗ヒスタミン薬の眠気が強く出てしまい、より強力な薬剤に変更・増量できない方
治療対象となる方
・重症または最重症のスギ花粉症で、前年のスギ花粉シーズンに医療機関を受診し、ステロイド点鼻薬、及び抗ヒスタミン薬の飲み薬で治療をしても症状の改善が無かった方。また、その処方内容(お薬手帳やお薬手帳アプリなど)を提示できる方。
*前シーズン、市販の点鼻薬や飲み薬で治療された方は、今シーズンのゾレア治療はできません。
・今年も通常の治療(抗ヒスタミン薬の飲み薬+ステロイド点鼻薬)を1週間以上行ったが効果不十分な方。
・年齢が12歳以上、体重が20〜150kgの範囲内で、スギ花粉に対する血清の総IgE濃度が30〜1,500IU/ml、スギ花粉抗原に対する特異的IgE抗体(血液検査)がクラス3以上の範囲にある方。
費用はゾレアの薬剤費のみで、3割負担の方で自己負担額が1か月あたり約4,500円〜70,000円かかります。
投与量がその人によって異なるため(体重と血液の総IgE濃度に基づき設定されます)、自己負担額には個人差があります。
その他、受診、採血検査にかかる費用、同時に飲み続ける必要のある抗ヒスタミン薬の処方費がかかります。
詳しくは、下記の製薬会社のサイトをご覧ください。
ゾレアの処方を保険診療で行うためには、初回投与まで3回のご来院が必要です。
3回の間に、①重症花粉症の診断②非特異的/特異的IgE抗体検査③既存治療が効果不十分であることを確認する必要があります。
予約
当院のLINEリッチメニューの「対面診療」からご予約をお願いします。
問診票の記入
公式LINEのリンクから、問診票の記入を行なってください。
当日にご来院後、診察・検査
当日、ご予約の時間にご来院ください。受付で番号をお渡しし、検査や会計などを含めて番号でお呼びいたします。
問診にて、重症または最重症のスギ花粉症であるかどうか診断します。前年のスギ花粉シーズンの処方内容が分かるお薬手帳を必ずお持ち下さい。
血液検査を行い、抗ヒスタミン薬の飲み薬とステロイド点鼻薬などを当院から1週間分以上処方します。
結果説明・検査
飲み薬等で効果不十分と判断した場合、ゾレア治療の適応となります。
血液検査の結果と体重で、ゾレアの投与量、投与間隔(2週間ごとまたは4週間ごと)を決め、処方後の血液検査を実施します。
ゾレア投与日を決定します。
初回治療
前回予約いただいた日時でご来院いただき、初回の投与行います。
継続治療
初回投与から2〜4週間後に、再度ゾレア投与を行います。ゾレアによる治療は、スギ花粉が多く飛散する2月~5月のみ可能です。