性感染症検査

当院でエムポックス(mpox/サル痘)が検査できるようになりました!

当院でエムポックス(mpox/サル痘)が検査できるようになりました!

エムポックス(mpox、旧:サル痘)は、世界的に男性間性交渉者(MSM:Men who have sex with men、男性と性行為を行う男性)を中心に急速に感染拡大しています。

ワクチンが普及していない日本では、無症状でも感染している方がいます。

現在、日本ではエムポックスの検査を手軽に受けることができません。研究に参加する方のみが、検査を受けることができます。

当院は国立研究開発法人国立国際医療研究センターが行う研究を通じて、8/1よりMSMの方々にエムポックスの検査を提供できるようになりました。

日本で、無症状の方に対するエムポックス検査ができるのは日本で4箇所だけであり、関西では当院のみ可能です!

費用:3,000円(税込)

淋菌・クラミジア・エムポックスの検査を同時に受けていただきます。

性器・喉・肛門すべての検査を同時に行うことが可能で、費用は3種類・3箇所で上記価格で提供いたします。

開業時より、PrEP購入者には淋菌・クラミジアの検査を特別料金で提供しておりましたが、一緒エムポックスの検査も受けていただくことが可能です。

別途、初診料または再診料がかかります。

こんな人が検査できます

下記の3つをすべて満たす方のみ、検査することができます。

・研究参加に関して文書による同意が得られた方

・同意取得時の年齢が20歳以上のMSM(男性間性交渉者)

・過去3か月以内に性行為があった方

こんな人は検査できません

・医師が不適切と判断した患者

・エムポックスを疑う症状を有している者

研究について

研究名:男性間性交渉者におけるサル痘のACTIVE SURVEILLANCEに関する前向きコホート研究(略称:サル痘積極的疫学調査研究)

研究代表機関:国立研究開発法人国立国際医療研究センター

共同研究機関:パーソナルヘルスクリニック・いだてんクリニック

研究で協力いただくこと

・すべての方で問診表の記入をお願いします。

・すべての方で同意書の記入および身体に症状があるかの確認をさせていただきます。

・検体は、淋菌・クラミジア・エムポックスの3種類を性器・喉・肛門の3箇所から取らせていただきます。(エムポックスのみの検査はできません)

個人の名前や住所は研究で削除されます。個人情報が外部に漏れないよう厳重に管理されます。

研究の目的

本研究では、無症状の方を対象に、エムポックス検査を実施することで、国内のサル痘感染者を早期に発見することを目的としています。

本研究では、あわせて、エムポックスワクチン接種の希望調査を行い、国内でのサル痘対策の準備を進めることを目指しています。

本研究では、エムポックスワクチン接種を行うことはできません。

当院は、11/1~12/16の間、ゲイ・バイ・トランスジェンダーの方に対してHIV/梅毒/B型肝炎を無料で検査できる大阪府の検査事業に参画しております。

詳しくは、下記をご参照ください。

ご不明な点がありましたら、公式LINEでお問い合わせください。

この記事で言いたいこと

・エムポックスは、2023年以降で急激に増加している。もともとは西アフリカや中央アフリカで報告が多い疾患だったが、近年海外渡航歴がない人で特にMSMを中心に感染が広がっている。

・エムポックスは、性行為がなくても感染部の接触で人に感染することがある。また、女性や子供も感染する可能性がある。

・5~21日の潜伏期間(感染してから症状がでるまでの期間)を経て、疼痛や痒みを伴った発疹が顔面や四肢、体幹に出現する。現在流行しているサル痘は、陰部や肛門に発疹が出ることが知られている。特異的な治療はなく、対症療法を行う。

・エムポックスが疑わしい方は、現在日本では保健所を通じて検査を行なっているが、症状がない方は検査することができなかった。

当院では、「無症状」であっても、研究を通じてMSMの方を対象にサル痘の検査が可能である。日本で無症状の方に対する検査ができるのは日本で4箇所だけであり、関西では当院のみ可能である。

目次の各項目をクリックすると、記事の途中までジャンプすることができます。

エムポックスとは

エムポックスは、もともとは西アフリカや中央アフリカで発症の報告がありました。

1958年にエムポックスが発見され、1970年にヒトに感染が確認されてから、これまでヒトへの感染経路は主に動物→ヒトでした。

2022年5月以降、流行地ではない国からの報告も増加しています。

流行地とそれ以外の国々の両方で報告が増加しているのは今までなく、また感染経路も特にMSM男性を中心にヒト→ヒトの性的接触がほとんどである、という点で以前のエムポックスとは異なることがわかっています。

WHO(世界保健機関)は、感染の拡大が続いているとして「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。

日本国内では、2022年7月25日に、国内1例目の患者が報告されました。

2023年以降、発生数が増加しており、国内でも188例の症例が確認されています(2023年7月7日)。ただし、症例数に含まれるのは症状が出た方のみで、感染していても無症状である方は含まれておらず、現在も感染増加が懸念されています。

エムポックスはMSMの男性だけでなく、女性や子供にも感染します。特定の集団や感染者、感染の疑いのある人に対する差別や偏見は、人権の侵害に繋がりますので、注意が必要です。

感染経路と症状

エムポックスのヒトからヒトへの感染経路は以下のものが考えられます。

感染経路

・皮膚の病変・体液・血液との接触

・患者との接近した対面での飛沫への長時間の曝露

・洋服やリネン類を介した感染

従来の報告ではエムポックスの潜伏期間は5~21日(通常は7~14日)とされています。

潜伏期間の後、風邪のような症状から始まり、発熱、頭痛、リンパ節が腫れる、筋肉痛が数日続いた後に、特徴的な発疹(ぶつぶつ)が出現します。

以前のエムポックスは、発疹は顔面から出て、体全体に広がっていましたが、2022年5月以降の欧米を中心とした流行では、多くの人の発疹が性器や肛門に見られることがわかっています。また、風邪のような症状の前に発疹が出ることも報告されています。

特に初期においては他の疾患の発疹(例えば、麻疹、水痘、ヘルペス、皮膚の細菌感染、疥癬など)との鑑別が困難なことがあります。

今回の流行の主な症状

症状と出現率(30%以上)をまとめると…

発疹や皮膚症状(特に陰部):95%

発熱:62%

リンパ節の腫れ:56%

体のだるさ、眠気:41%

筋肉痛:31%

エムポックスが疑われるような上記の症状があれば、当院の検査を受けることはできません。

ご不明な点があれば、公式LINEからお問い合わせください。

エムポックスを疑う症状が見られ、医療機関を受診する場合、マスクの着用や発疹部位をガーゼなどでおおう等の対策を必ず行ってください。

経過と治療

エムポックスは発症から2〜4週間程度で、発疹がすべてかさぶたになって治癒します。多くは軽症か中等症で、自然に治ります。

悪化すると脳炎を起こしたり、皮膚病変の部分が細菌などに二次感染したり、脱水、気管支肺炎、敗血症など、重症化することも知られています。

エムポックスには、特異的な治療法はなく、症状を和らげる対症療法を行います。

天然痘ワクチンが、エムポックスウイルスにさらされた後の発症の予防や重症化予防に有効とされています。

我が国では、エムポックスウイルスにさらされた可能性のある方に対してワクチンを投与するための臨床研究体制を整備しています。また、エムポックスを発症した患者さんに、臨床研究で治療薬を投与できる体制も整えられています。

検査費用と流れ

当院では、エムポックスの検査を淋菌・クラミジアと同時に行います。

性器・喉・肛門それぞれから検体を採取し、検査に提出します(うがい液・尿・肛門ぬぐいの検査を受けていただきます)。

結果は、メールで返信いたします。

費用:3,000円(税込)

淋菌・クラミジア・エムポックスの検査を同時に受けていただきます。

性器・喉・肛門すべての検査を同時に行うことが可能で、費用は3種類・3箇所で上記価格で提供いたします。

開業時より、PrEP購入者には淋菌・クラミジアの検査を特別料金で提供しておりましたが、一緒にエムポックスの検査も受けていただくことが可能です。

別途、初診料または再診料がかかります。

step1

予約

予約サイトから、「性感染症外来(対面)」を選択してください。下記のボタンから、「性感染症外来(対面)」に直接遷移することができます。


step2

問診票の記入

事前に問診票の記入を必ずお済ませください。問診票は「性感染症外来(初診)」をご利用ください。下記のボタンから該当の問診票に直接遷移することができます。

「本日はどうされましたか」の項目から「サル痘研究参加希望」を選択してください。


step3

医師の診療

必ず医師の診察と研究の同意が必要です。

step4

検査

うがい液・尿・肛門ぬぐいの検査を受けていただきます。

step5

会計・検査結果

受付で会計をして帰宅いただけます。検査結果は2-3日後に登録されたメールアドレスに送らせていただきます。

エムポックス(サル痘)の検査が陽性であれば、当院からお電話させていただき、今後の流れを説明させていただきます。

この記事を監修した医師

<医師 塩尻 大輔>
パーソナルヘルスクリニック院長、医学博士。
国立国際医療研究センター(東京都新宿区)とパーソナルヘルスクリニックにて、HIVやPrEPをはじめ、性感染症・性病検査に関する科学的根拠に基づいた正しい知識と、患者様の心に寄り添った医療を提供されています。
日本生まれですがアフリカのケニア育ちで、現地でも医師免許を取得しており、医療支援や教育支援等を実施されています。
当院でも非常勤医師として診療いただいております。